オーバーワークです。でも大好きなんです。

遂に来ました!芦部信喜先生とならぶ巨頭、佐藤幸治先生の名著の改訂版!テンションが上がるのは筆者だけでしょうか。
各種試験的には、オーバーワーク感がプンプン。脚注に小林秀雄が出てきたりするあたり(204頁)、「試験用参考書」ではないよ!とのメッセージを受け取らざるを得ません。とはいえ、記述は示唆に富むものばかり。憲法が好きになる良書です。
特にお勧めしたいのは自己情報コントロール権にかかる記述です。自己情報コントロール権って「いまいち何が言いたいのか分からん」となりがちなように思いますが、佐藤先生は同説の提唱者。すっきりと理解できることでしょう。
この箇所については、初版との比較をしても面白いです。データバンク社会にかかる記述は、初版では「可能性」として描かれていたのに対し、2版では現に存在する問題として描かれています。(初版184頁、2版206頁対照)また、住基ネット訴訟にかかる記述も、初版に比べて大幅に加筆されています。(初版185〜186頁、2版208〜209頁対照)
まだ2版を全部を読み切れていないので(何せ726頁ありますから…と言い訳させていただきます)、不完全な書評となったことをお許しください。しかし、示唆に富む記述は初版に引き続き健在。試験対策的にも、いわば「辞書」として用いるにはうってつけであると考えます。

司法試験受験生

内容
3.0
コスパ
3.0
おすすめ度
3.0
1 · 27
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あひるっぺ

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難易度3
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