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(挨拶おわり)
三井美唄炭鉱労組事件は、選挙において労働組合が統一候補を立てた場合に、個々の組合員が立候補することをやめるように要求することができるのか? つまり、労働組合の統制権と個々の組合員の被選挙権の関係が問題となった事件です。
最高裁は、労働組合の統制権は、必要かつ、合理的な範囲内で認められるものであり、限界があることを示しました。
▼憲法重要判例30選▼
No | 判決日 | 事件名 |
1 | 最大判昭53.10.4 | マクリーン事件 |
2 | 最大判昭45.6.24 | 八幡製鉄政治献金事件 |
3 | 最大判昭48.12.12 | 三菱樹脂事件 |
4 | 最一小判平成1.3.2 | 塩見訴訟 |
5 | 最大判昭和49.11.6 | 猿払事件 |
6 | 最大判昭和58.6.22 | よど号ハイジャック記事抹消事件 |
7 | 最大判昭和44.12.24 | 京都府学連事件 |
8 | 最三小決平成29.1.31 | グーグル検索結果削除請求事件 |
9 | 最大判平成27.12.16 | 女子再婚禁止期間事件 |
10 | 最二小判平成23.5.30 | 君が代起立斉唱事件 |
11 | 最二小判平成8.3.8 | エホバの証人剣道受講拒否事件 |
12 | 最大判昭和52.7.13 | 津地鎮祭事件 |
13 | 最大判昭和59.12.12 | 札幌税関検査事件 |
14 | 最大判昭和61.6.11 | 北方ジャーナル事件 |
15 | 最大決昭和44.11.26 | 博多駅事件 |
16 | 最大判平成1.3.8 | レペタ事件 |
17 | 最三小判平成7.3.7 | 泉佐野市民会館事件 |
18 | 最大判昭和38.5.22 | 東大ポポロ事件 |
19 | 最大判昭和50.4.30 | 薬事法距離制限事件 |
20 | 最大判昭和62.4.22 | 森林法事件 |
21 | 最大判平成4.7.1 | 成田新法事件 |
22 | 最大判平成14.9.11 | 郵便法違憲判決 |
23 | 最三小判昭和56.6.15 | 戸別訪問禁止事件 |
24 | 最大判昭和51.4.14 | 議員定数不均衡訴訟 |
25 | 最大判昭和57.7.7 | 堀木訴訟 |
26 | 最大判昭51.5.21 | 旭川学力テスト事件 |
27 | 最大判昭43.12.4 | 三井美唄炭鉱労組事件 |
28 | 最三小判昭和56.4.7 | 板まんだら事件 |
29 | 最三小判昭和52.3.15 | 富山大学単位不認定事件 |
30 | 最大判昭和34.12.16 | 砂川事件 |
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選挙権については、憲法15条1項に「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と規定されており、憲法上の権利であることが明記されています。
一方、被選挙権、つまり、議員になる権利や立候補する権利については、憲法上明記されていません。
そのため、被選挙権の根拠は何か? が問題となります。
この点については次のような学説が提唱されています。
三井美唄炭鉱労組事件は、被選挙権の根拠規定について最高裁が見解を示した判例でもあります。
憲法28条には、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」と規定されており、労働者の労働基本権として次の3つを認めています。
この中で、団結権とは労働組合を結成する権利を意味します。
そして、労働組合には、労働組合に属する労働者に対する統制権が認められます。
労働組合の団結権を確保するために必要不可欠であることから、労働組合固有の権利として認められると解されているわけです。
労働組合の統制権が認められるにしても、組合員個人の権利との兼ね合いが問題となります。
例えば、労働組合が選挙において統一候補として立候補者を立てた場合は、組合員に対して、その候補者を応援するように求めることができます。
では、組合員が別に自ら立候補しようとした場合、労働組合は、組合員に対して立候補を取りやめるように強制することができるのでしょうか?
労働組合には統制権が認められていますが、組合員にも被選挙権が認められているため、両者の権利をどのように調整すべきかが問題となります。
三井美唄炭鉱労組事件は、その点について、最高裁が見解を示した事件です。
Aさんは北海道三井美唄炭鉱労働組合の組合員です。
昭和30年ごろから美唄市議会議員選挙において、同組合の統一候補として、立候補し、当選していました。
昭和34年に施行された美唄市議会議員選挙では、任期中に定年になることから、Aさんは統一候補として選出されず、他の統一候補が立てられました。
それでもAさんは独自の立場で立候補しようとしました。
同組合の幹部らは、票割れを防ぐために立候補を取りやめるようにAさんを説得したり圧力をかけましたが、Aさんは立候補を強行し、当選しました。
そこで、同組合の幹部らがAさんを統制違反者として組合員の権利を停止するといった処分を下しました。
こうした同組合の幹部らの一連の行為が、公職選挙法225条に規定されている選挙の自由妨害罪に該当するとして、同組合の幹部らが起訴されました。
第一審では一部有罪の判決が下され、第二審では違法性を欠くとして無罪の判決が下されました。
そこで、検察官が上告しました。
最高裁では大法廷で審理が行われ、全員一致で破棄差戻しの判決を下しました。
最高裁の考え方を確認しましょう。
最高裁は、憲法15条1項が被選挙権または立候補の自由については明記していないとしつつも、立候補が不当に制約されると選挙人が希望する代表者を選ぶ権利も阻害される関係にあることから、「立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえで、きわめて重要」と述べています。
この見地からすると、「憲法15条1項には、被選挙権者、特にその立候補の自由について、直接には規定していないが、これもまた、同条同項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべき」と述べています。
つまり、憲法15条1項の規定は選挙権と被選挙権が表裏一体で定められていると解する立場を採り、被選挙権も憲法上の権利であることを明確にしました。
最高裁は、憲法28条は労働者の団結権、団体交渉権および団体行動権(いわゆる労働基本権)を保障した規定であり、労働組合法は、これを具体化した規定であると解しています。
一方で、労働組合が正当な団体行動を行なうには、労働組合の統一と一体化を図り、その団結力の強化を図る必要があり、組合員たる個々の労働者の行動について、合理的な範囲において、これに規制を加えることが許されると明言し、労働組合の統制権を認めました。
すなわち、「憲法28条による労働者の団結権保障の効果として、労働組合は、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内において、その組合員に対する統制権を有する」という見解を示したわけです。
最高裁は、労働組合にもその目的を達成するために必要な政治活動等を行なうことが認められると解しています。
統一候補を決定して労働組合を挙げて選挙運動を推進することも認められます。
さらに、統一候補以外の組合員が立候補しようとしている場合に、その組合員に立候補を思いとどまるように勧告または説得することも、組合の政治活動の一環として許されるとしています。
労働組合には組合員に対する統制権が認められているからです。
ただ、労働組合の統制権には一定の限界があります。
特に個々の組合員の立候補の自由は、憲法上保障されている基本的人権の一つであることから、これに対する制約は、特に慎重でなければならないとしています。
そして、労働組合の統制権の限界を判断するにあたっては、
この2つを比較衡量して、その許否を決めるべきとしています。
では、三井美唄炭鉱労組事件での同組合の幹部らによるAさんへの働きかけはどのように考えるべきでしょうか。
まず、Aさんに立候補を思いとどまるよう、勧告または説得をすることは労働組合として当然になしうると判断しています。
一方で、Aさんに立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由にAさんを統制違反者として処分することは、労働組合の統制権の限界を超える行為で違法と判断しました。
三井美唄炭鉱労組事件は、次の点を示した判例です。
こうした見解が示された最高裁判決で、後に労働組合の統制権が問題となった判例でも継承されています。
参考文献
憲法判例百選2 有斐閣
判決文は最高裁サイトより引用しています。
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