記述には「割り切り」も。しかし、やっぱりスタンダード。

2019年現在、「合格者が使った基本書」憲法部門第1位との事(参照・受験新報2019年12月号「令和元年合格者が使った基本書」)。最近では、資格スクエアによる無断使用の件でも話題となりました。言語道断な行為ではありますが、パクられるほどの良書、ということでもありましょう。
実際、本書は良書です。本文では、各権利についての論証の運び方が大変わかりやすく提示されます。章末の問題や最終章では、その論証をどうやって使うのか見せてくれるという親切っぷり。論証集の出来が軒並み悪い(と、能力の低い筆者は思う)憲法にあって、本書は大変貴重です。
一方、記述にはある種の「割り切り」も見られます。引っかかった点につき他の書籍にあたってみると、視野が広がることもしばしばです。
本書の記述をきっかけに他の書籍にあたり、憲法上の論点への理解を深めるも良し。「売れてるんだし、みんなこんなもんっしょ」と諦め、本書の記述を暗記するも良し。いずれにせよ、司法試験受験界の新スタンダードである事に疑いはないでしょう。

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あひるっぺ

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