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「三菱樹脂事件は経済活動の自由と思想・良心の自由が衝突した?」
「労働者の思想・良心を理由に本採用拒否することは違憲、違法?」
「採用段階で思想・良心を調査することは違憲・違法?」
「三菱樹脂事件」は「憲法の人権規定が、私人間にも適用されるのか?や「特定の思想、信条を有することを理由とする採用拒否は合憲・合法なのか?」が問題となった事件です。
また、労働契約関係の論点としては「試用期間を設け、解約権を留保する形の雇用契約が有効なのか?」や「留保解約権に基づく解雇が認められるのはどのような場合か?」が問題になりました。
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「三菱樹脂事件」は「憲法の人権規定が、私人間にも適用されるのか?」が問題となりました。
本来、憲法は、国家と私人との間の関係について規律するもので、私人間の問題は、私的自治の原則により、憲法の規定は適用されないのが原則でした。
ところが、大企業と個人のように「私人間でも、公権力との関係に匹敵するような状況」も生まれています。そのような関係にある場合は「憲法を適用して、弱者の立場にある個人を保護すべきではないか?」との考え方も出てきました。
この問題について、最高裁が大法廷で見解を示したために注目されました。
「三菱樹脂事件」の概要
Xは、東北大学法学部を卒業した後、三菱樹脂株式会社に3か月の試用期間を設けて採用されました。
ところが、入社試験の際、身上書や面接で、学生運動に関わったことや生協理事として活動したことを秘匿する虚偽の申告をしていたことが発覚しました。
そのために、試用期間の満了直前に、本採用を拒否するとの通告を受けました。これに対して、Xが労働契約関係の存在の確認を求めて訴えを提起した事件です。
第一審は、Xの請求を大筋で認める判決を下しました。
控訴審でも、憲法19条が保障する思想・良心の自由は、私人間でもみだりに侵されないこと、通常の商事会社では労働者の思想・良心が事業遂行の支障にならないこと、採用試験で政治的思想・信条について申告を求めることは、公序良俗違反するとして、Xの全面勝訴の判決を言い渡しました。
これに対して、三菱樹脂株式会社が「憲法19条、14条は、私人間の関係を直接規律するものではない」として上告しました。
三菱樹脂事件では「企業の経済活動の自由」と「労働者の思想・良心の自由」が衝突した。
最高裁は、利益衡量の中で、どちらを優先したのだろうか?
憲法の人権規定は、「国家と私人の間を規律するためのものであるため、私人間の争いは、私的自治の原則により解決すべきで、憲法は適用されない」のが原則です。
ただ、今では、大企業と個人の関係のように私人間の争いでも、公権力との争いに匹敵する状況になることもあります。このような対立関係では、憲法の人権規定を適用すべきではないかとも考えられています。
これを憲法の私人間効力の問題と言いますが、主な学説は次の通りです。
◆無効力説
憲法の人権規定は私人間には適用されない。
◆直接適用説
憲法の人権規定は私人間に直接適用され、私人に対しても直接憲法上の権利を主張できる。
◆間接適用説
憲法の人権規定の精神に反する行為については、私法(民法)の一般条項を媒介して、私人間にも及ぶ。
現在の学説は間接適用説が通説になっていますが、では、最高裁はどう考えているのかが三菱樹脂事件で示されました。
「三菱樹脂事件」は私人間効力の考えについて、どの見解を採用したのかな?
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三菱樹脂事件における最高裁の考え方を確認していきましょう。
憲法の「私人間効力」の問題について、最高裁は次のような見解を示しました。
最高裁
憲法の人権規定は、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障するものである。
もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するもので、私人間には直接適用されない。
大企業と個人の関係のように相互の社会的力関係の相違がある場合でも、憲法の基本権保障規定の適用ないしは類推適用をすべきでない。
このような場合、立法措置による是正、民法1条、90条や不法行為に関する諸規定等の適切な運用により、解決すべきである。
つまり、最高裁は、間接適用説の立場を採っていると一般的に解されています(学説上は、無効力説を採用したという理解もあります)。
最高裁は「企業が特定の思想、信条を有する者について、それを理由に採用を拒否できるのか?」については次のような見解を示しました。
◆三菱樹脂事件の重要な結論部分
・当然に違法とすることはできない。
・憲法は、思想、信条の自由や法の下の平等を保障しているが、同時に財産権の行使、営業その他広く経済活動の自由をも基本的人権として保障している。
・よって、企業の採用活動も経済活動の自由の一環として自由に行えるのであり、特定の思想、信条を有する者の採用拒否も認められる。
・また、契約締結の自由を有している点からも、どのような雇用契約であっても原則として自由に締結できるし拒否もできる。
また、憲法14条には法の下の平等が規定されており、「信条」により差別されないと規定されています。特に、信条については、憲法19条で、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と強い保護規定が置かれています。
そのため、特定の思想、信条を有する者の採用拒否は、信条による差別ではないかとの点も問題視されましたが、やはり、これらの規定も私人間には直接適用されないため、問題ないことになります。
さらに、企業が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも、違法ではないと判断しています。
三菱樹脂事件において最高裁が示した憲法判断をまとめると次のようになります。
①憲法の私人間効力の問題は間接適用説の立場に立つ
②特定の思想、信条を有することを理由とする採用拒否は合憲・合法。
③労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査することも合憲・合法。
ここからは労働法の問題を解説するよ
私人間には、憲法の人権規定は直接適用されませんが、立法措置が設けられている場合は、その法律により対処することになります。
労働基準法には、次の規定が設けられています。
◆労働基準法
(均等待遇)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
今回の特定の思想、信条を有する者の採用拒否は、違憲ではないにしても、労働基準法3条に抵触するのではないかとの問題があります。
この点について、最高裁は、「これは、雇入れ後における労働条件についての制限であつて、雇入れそのものを制約する規定ではない。」として、違法ではないとの判断を下しています。
もちろん、いったん採用した後は、特定の思想、信条を理由とする差別は、労働基準法3条により禁止されます。さらに、特定の思想、信条を有することを理由に解雇することも、労働基準法3条に違反するとの見解を示しました。
まとめると、特定の思想、信条を有することを理由とし、以下のようになります。
採用拒否……合法
採用後の差別……違法
解雇……違法
「三菱樹脂事件」は労働法でも重要な判例です。
原告Xは、採用試験で採用を拒否されたわけではなく、いったん入社が許されて、試用期間中に政治的思想に関する問題が発覚し、本採用を拒否されています。
このように、試用期間を設け、解約権を留保する形の雇用契約が労働契約法上合法なのか。また、どのような場合に、解約権の行使が認められるのかも問題となります。
最高裁は、雇用契約や就業規則において、「一定の合理的期間の限定の下に留保約款を設けることも、合理性があり有効である」と判断しています。
さらに、留保解約権に基づく解雇は、通常の解雇とは性質が異なり、「広い範囲における解雇の自由が認められる」と判断しています。
では、留保解約権に基づく解雇はどのような場合に認められるのでしょうか。
最高裁は、採用された人が本採用されることを期待して、他企業への就職の機会と可能性を放棄している点に鑑みて、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ」認められると判断しています。
「三菱樹脂事件」の事例では「原告Xが、学生運動に関わったことや生協理事として活動したことを秘匿する虚偽の申告をしたことが問題視されて、留保解約権に基づく解雇が行われた」事案です。
最高裁は「原告Xの秘匿等が解雇しうる客観的に合理的な理由と言えるかどうかの審理が尽くされていない」として、原審への差し戻しを行いました。
その後、差し戻し審で、原告Xと三菱樹脂株式会社の間で和解が成立し、原告Xは職場復帰を果たしました。
・三菱樹脂事件では、「企業の経済活動の自由」と「労働者の思想・良心の自由」が衝突したが、最高裁は、前者の利益を優先した
・間接適用説を採用したと一般的に理解されている
・特定の思想、信条を有することを理由とする採用拒否は合憲・合法
・労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査することも合憲・合法
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