徳島市公安条例事件(昭和50年9月10日最高裁)をどこよりも分かりやすく解説

当ページのリンクにはPRが含まれています。
  • URLをコピーしました!
キャンペーン画像

大人気予備校のアガルートが期間限定の特別キャンペーンを開催中です。あなたはどの講座を受講しますか?

>公式HPでクーポンを獲得する
×
判例図解キット

【法スタ限定】視覚的に判例を整理できる特製キットをプレゼント!!

※閉じるとこの案内は再表示されません

かもっち・あひるっぺからの挨拶

かもっち

はじめまして、かもっち@hosyocomです。
皆さん、法律の勉強、お疲れ様です!!

法スタは、司法試験合格者が監修する法律の勉強法専門メディアです。

あひるっぺ

私は、司法試験受験生のあひるっぺ

司法試験予備試験法科大学院入試法律書籍人気予備校のレビュー
必要なノウハウや勉強の進め方を、初心者にもわかりやすく解説
しています。

かもっち

姉妹サイトとして「法律書籍の口コミサイト」や「法科大学院の口コミサイト」も運営しています。

あひるっぺ

私たちは、合計370件以上の豊富なコンテンツを揃え、皆さんの法律学習を全力でサポートします。
知りたい情報が必ず見つかるはず!ぜひ一緒に学びましょう!

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!

(挨拶おわり)


『徳島市公安条例事件の理解すべきポイントは?』

『徳島市公安条例事件の重要な事実関係は?』

『最高裁が示した明確性の原則とは?』

徳島市公安条例事件は、条例の法律適合性と刑罰法規明確性の要請に関する判断基準を示した最高裁判例として知られています。

公安条例に関する最高裁判例はいくつかありますが、特に重要な判例なのでしっかり押さえましょう。

司法試験予備試験応援サイトでは、憲法の重要判例解説を順次公開しています。是非、その他の記事も合わせてご確認ください。

司法試験予備試験応援サイトでは、謝罪広告事件判決夫婦同性合憲判決事件などの判例解説記事を公開していますので合わせてご参照ください。

目次

\会員数25万人突破記念5%OFF/

かもっち

やあ、法律を学ぶみんな!
今、アガルートでは超お得なキャンペーンが開催中だよ!

あひるっぺ

そうなのそうなの〜!
期間限定5%OFF

かもっち

しかも、アガルートの全ての商品が対象

あひるっぺ

5%OFFの適用を受けるには
アガルートの公式サイトに掲載されているクーポンコードの入力が必要だから、注意をしてね。

クーポンコードは▼▼から/

徳島市公安条例事件の概要

被告人Yは、昭和43年12月10日に徳島市内で集団示威行進に参加し、その際、自ら、だ行進をした上で、集団行進者にだ行進をさせるように刺激しました。

そのため、被告人Yは道路交通法と徳島市公安条例違反に問われて起訴されました。

道路交通法では、77条3項により、警察署長は許可に条件を付することができると定めており、条件に違反した場合は「3月以下の懲役又は3万円以下の罰金」を科するものと定められています。

問題の集団示威行進も、許可条件として「だ行進をするなど交通秩序を乱す恐れがある行為をしないこと」と付されており、被告人Yの行為はこれに違反するものでした。

一方、徳島市公安条例では、集団示威行進について、市公安委員会への届出を求めており、集団示威行進を行なう者が順守すべき事項として、「交通秩序を維持すること」と掲げ、これを遵守しない煽動者等に対して、「1年以下の懲役若しくは禁固又は5万円以下の罰金」を科していました。

つまり、徳島市公安条例は、道路交通法と重複しているうえに、罰則も重く、「交通秩序を維持すること」というあいまいな規定を置いていることが問題になったわけです。

道路交通法と徳島市公安条例の関係をどう考えるべきか?

道路交通法と徳島市公安条例の規定が重複していることについてどのように考えるべきか。つまり、条例の法律適合性が問題となりました。

法律と条例の関係

まず、憲法94条には、法律の範囲で条例を制定できる旨が定められています。

◆憲法
第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

更に、地方自治法14条にも、法令に違反しない限りにおいて、地域における事務処理に関して条例を制定することができる。と定められています。

◆地方自治法
第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
第二条
② 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

つまり、普通地方公共団体の制定する条例が国の法令に違反する場合は無効になるわけです。

上乗せ条例や横出し条例は有効なのか?

では、条例で法律よりも厳格な「上乗せ条例」や法律、法令が規定している以外の事項を規制する「横出し条例」を制定できるのかが問題となります。

この点、徳島市公安条例事件では、条例が国の法令に違反するかどうかの基準を示したことで注目されました。

まず、最高裁は、条例が国の法令に違反するかどうかは、「国の法令の対象事項と規定文言の対比だけでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し矛盾抵触があるかどうかで判断する。」としています。

その上で、具体的に次のように述べています。

1、国の法令に明文がない理由が、いかなる規制も設けない趣旨なら、条例を制定することは国の法令に違反する。

2、国の法令と条例とが併存する場合でも次のいずれかの場合は、国の法令と条例は矛盾抵触せず、条例も有効。

  • 条例の規定が国の法令とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用により国の法令の規定の意図する目的と効果を阻害しない。
  • 国の法令と条例が同一の目的で制定されており、それぞれの普通地方公共団体において、実情に応じた規制を定めることを容認する趣旨である。

徳島市公安条例事件への当てはめ

道路交通法と徳島市公安条例についてみると、道路交通秩序維持のための行為規制については、両者の規律が併存競合していると認定しました。

ただ、道路交通法は、普通地方公共団体における道路又は交通の状況に応じた規定を設けることを認めたものと解釈できると指摘しています。

その上で、

  • 道路交通法と徳島市公安条例の内容に矛盾抵触がない。
  • 徳島市公安条例における重複規制が特別の意義と効果を有し、かつ、合理性がある。

と認定し、道路交通法は、条例による規制を否定、排除する趣旨ではなく、条例の規制の及ばない範囲においてのみ適用される。

つまり、徳島市公安条例の規定は、道路交通法に違反しないとしました。

条例の明確性の問題

この事件のもう一つの争点は徳島市公安条例の「交通秩序を維持すること」という規定が明確性に欠けているのではないかという点です。

条文の明確性は、憲法21条の表現の自由と、憲法31条の法定手続きの保障の規定から要請されています。

表現の自由からの明確性の理論

表現の自由に対してあいまいで不明確な法律による規制を加えると、本来、合憲的に行える表現をも萎縮させてしまうことがあります。

そこで法文上不明確な法律は原則として無効になると解されています。これを明確性の理論と言います。

罪刑法定主義からの刑罰法規明確性の要請

罪刑法定主義は、刑罰の実体は法律で定めなければならないという原則です。

近代憲法の重要な原理とされているものの日本国憲法には、罪刑法定主義を明記した条文はありません。

ただ、憲法31条を根拠とする見解が通説となっています。

◆憲法

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

罪刑法定主義は、次の3つの内容からなります。

  1. 刑罰法規の明確性
  2. 罪刑の均衡
  3. 刑罰の謙抑主義

このうちの刑罰法規の明確性とは、

  • 国民から見て法規の内容を明確にし、違法行為を公平に処罰するために「事前に公正な告知がなされている必要がある」
  • 法規の執行者である行政の恣意的な裁量権を制限するものでなければならない。

このような観点から求められているものです。

刑罰法規の明確性と表現規制の明確性は区別される
→二つの明確性は、重なり合うところがあるが、趣旨・目的が異なる。
→刑罰法規の明確性は、法令の告知機能と恣意的運用の防止という適正手続の要請
→表現規制の明確性は、表現の萎縮的効果の防止
(参考:基本憲法1 159ページ)

例えば、表現活動を規制する刑罰法規であれば、規定が不明確であれば、①規制対象を告知する機能を果たさない、②恣意的に運用される危険、③表現活動を委縮させる危険がある、ということになる。

もっとも、規定の文言の表現力には限界がある。

そこで、「ある刑罰法規があいまい不明確のゆえきに憲法31条に違反するものと認めるべきかどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的な場合に、当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによって、これを決定すべき」という判断基準を示した。

最高裁が示した明確性の判断基準

徳島市公安条例事件では、最高裁は、刑罰法規があいまい不明確のゆえに憲法31条に違反するかどうかの判断基準を示しました。

具体的には、「通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断」が可能であるかどうかが基準になるとしました。

徳島市公安条例事件への当てはめ

徳島市公安条例では、集団行進の際に守るべきこととして、「交通秩序を維持すること」と定めており、違反した場合は罰則を科するものとしていたわけですが、この意味について、最高裁は、

「道路における集団行進等が一般的に秩序正しく平穏に行われる場合にこれに随伴する交通秩序阻害の程度を超えた、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為を避止すべきことを命じているもの」

と解釈できるとしています。

そして、このように解釈することは、通常の判断能力を有する一般人でも可能なので、憲法31条に違反しないと判断しました。

集会における行動を制限することは憲法21条に抵触しないのか?

もう一つ争点を確認しましょう。

殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為であっても、集会における行動である以上、憲法21条の集会の自由として保障されており、これを禁止することは違憲なのではないかという問題です。

まず、憲法21条が保障する集会の自由とは何かから見ていきましょう。

憲法21条が保障する集会の自由とは

集会の自由とは、

  • 集会を行うことについて、公権力による制限や干渉を受けない。
  • 公共施設を管理する公権力に対して、集会のために公共施設の利用を要求できる。

このような意味があります。

デモ行進も「動く集会」として、集会の自由が保障されると解されています

集会の自由に関しては「泉佐野市民会館事件判決」の解説記事も参考に!

集会の自由への規制

しかし、集会は多数の人が集合する場所を前提とする表現活動のため、他の利用者の権利、利益との調整、集会の競合による混乱の回避が課題となります。

そのため、集会の自由は一定の規制を受けるものとされており、公安条例による規制もその一つです。

特に、デモ行進に対しては、公安条例による届出や許可という事前規制が課されていますが、こうした事前規制は、憲法21条による集会の自由に違反しないと解するのが判例です。(東京都公安条例事件 最大判昭和35年7月20日 刑集 第14巻9号1243頁)

徳島市公安条例事件への当てはめ

今回問題となっている「殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為」について、最高裁は、「思想表現行為としての集団行進等に不可欠な要素ではなく、したがつて、これを禁止しても国民の憲法上の権利の正当な行使を制限することにはならない。」と述べています。

よって、こうした行為を公安条例により禁止しても、集会の自由を不当に制限することにならないというわけです。

\アガルートの三種の神器/

スクロールできます
総合講義重要問題習得講座論証集の使い方講座
インプット講座の最高傑作
司法試験の論文式試験に必要な知識が凝縮された質の高いテキストを使った業界最高峰の講義です。
「もう論文式試験は怖くない」これだけやりきれば、そう思える講座というコンセプトで作られた演習講座アガルートの講座の中で、最もコスパのよい講座です。隙間時間の聞き流しが最適。論点のハンドブックとしても使える。
講座レビュー講座レビュー講座レビュー
詳細はこちら詳細はこちら詳細はこちら
セール情報セール情報セール情報
アガルートの三種の神器

司法試験は情報戦だ!!

司法試験の論文式試験対策についてもっと詳しく知りたい方は、「論文で半分ちょい」が合格のカギ!司法試験の合格ストラテジー【初学者向け】もぜひチェックしてみてください。

この記事では、司法試験の論文式試験で「目指すべき得点」や、効果的な勉強法について詳しく解説しています。特に、初学者でも理解しやすいように工夫されていますので、これから司法試験を目指す方には必見です。

この記事の内容はこんな方におすすめ!

  • 司法試験の論文式試験と短答式試験の配点のバランスを知りたい
  • 論文式試験で効率よく得点するための勉強法を探している
  • 初学者におすすめの参考書や予備校の選び方を知りたい
  • 「予備試験ルート」と「ロースクールルート」の違いが分からない
  • 過去問や再現答案の効果的な活用方法を知りたい

この記事で分かること

  • 司法試験の論文式試験で狙うべき得点の目安
  • 短答式試験の対策は「合格点を確実に取る」ことがポイント
  • おすすめの判例集や演習書、予備校講座の紹介
  • 予備試験ルートとロースクールルートのメリットとデメリット
  • 効率よく学習を進めるための勉強法とスケジュール

論文でなぜ「半分ちょい」の得点を目指すのか?

詳しくは以下の記事をご覧ください!司法試験合格への道がぐっと近づくはずです。

▼司法試験受験生なら必読▼

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

判例学習を“見える化”しよう!

事案図解で理解と記憶に革命を。

複雑な判例も、図で整理すれば驚くほどスッキリ頭に入る。
判例事案図解キット」は、登場人物・組織を示す「人・組織アイコン」と、事案の流れを補足する「その他アイコン」がセットになった、スライド形式の図解ツールです。

これらのアイコンを組み合わせて配置するだけで、判例の構造を視覚的に整理・再現することが可能。
もちろん、手書きの整理も有効ですが、スライドとして一度しっかり図解しておけば、後から見返したときの理解度と復習効率が段違いです。

とくに「これは絶対に押さえておきたい!」という重要判例については、このキットを活用して、自分だけのオリジナル事案図を作ってみてください。

「視覚で学ぶ」という新しい判例学習のかたち、ぜひ体験してみてください。

▼法スタ公式LINE登録で限定配布中▼


この記事を書いた人

法スタ編集部です。司法試験合格者監修の下、法律を勉強されているすべての方向けにコンテンツの制作をしております。

法律書籍専門の口コミサイト「法書ログ」、法科大学院の口コミサイト「#ロースクールはいいぞ」を運営しております。

目次