司法試験合格という険しい道のりの最終日を飾るのが、短答式試験です。
マークシート形式で実施されるこの試験は、5日間にわたる長丁場の最終関門であり、受験生の集中力と知識の定着度を試す試金石となります。論文式試験対策で培った知識が活かせる部分も多い一方で、「短答プロパー知識」と呼ばれる、論文式試験では深く掘り下げられないような細かな条文や判例の知識が問われるのが特徴です。
目次
司法試験短答式試験の重要性と配点
この短答式試験の出来は、最終的な合格を左右する重要な要素となります。
なぜなら、短答式試験の得点は、論文式試験の得点と合算され、総合的な評価によって合否が決定されるからです。したがって、「できる限り高得点を狙いたい」という気持ちは当然湧き上がってくるでしょう。
しかし、ここで忘れてはならないのが、司法試験における真の主戦場はあくまで論文式試験であるという厳然たる事実です。論文式試験の配点は800点であるのに対し、短答式試験の配点は憲法50点、民法75点、刑法50点の合計175点に過ぎません。配点比率で言えば、8対1。総合評価の算出方法を見ても、短答式試験3科目の合計得点が、論文式試験1科目の合計得点とほぼ同等に扱われることが分かります。
この配点比率を考慮すると、短答式試験で満点に近い点数を追い求めるあまり、貴重な時間を短答対策に過度に費やしてしまうことは、本質的に重要な論文式試験対策を疎かにする危険性を孕んでいます。それは、合格という目標達成のために、決して効率的な戦略とは言えません。
司法試験の短答式試験の目標点
そこで法スタが提唱したいのが、「短答式試験合格者の平均点を狙う」という短答戦略です。
過去数年間の短答式試験合格者の平均点は以下の通り推移しています。
- 平成29年:125.4点
- 平成30年:128.1点
- 令和元年:129.3点
- 令和2年:118.1点
- 令和3年:126.4点
- 令和4年:123.3点
- 令和5年:126.1点
- 令和6年:120.3点
これらの平均点の平均値を算出すると、およそ124.61点となります。このデータに基づき、短答式試験の現実的な目標点を「125点」と設定しましょう。明確な目標数値を定めることで、対策の方向性が定まり、モチベーションの維持にも繋がります。
重要なのは、「何度受けても125点を確実に取れる」ような対策を行うことです。これは、偶然の一致で高得点を取るのではなく、安定した実力を身につけることを意味します。
125点という目標は、満点である175点の約71%に相当します。つまり、正答率7割を目指すことが、短答式試験合格への現実的な道筋となるのです。
司法試験短答式試験の効果的な対策方法
「正答率7割は難しくない」と考える方もいるかもしれませんが、油断は禁物です。そのためには、正しい方向でのインプットと、質の高い過去問演習が不可欠となります。
まず、インプットの段階では、論文式試験対策で培った基礎知識を土台としつつ、短答式試験特有の知識、すなわち短答プロパー知識を効率的に習得していく必要があります。市販の短答式試験対策用の教材や、予備校の短答対策講座などを活用し、論文知識だけではカバーできない細かな条文の文言や、重要な判例の結論と理由付けなどを丁寧に押さえていきましょう。この際、漫然と知識を詰め込むのではなく、体系的な理解を心がけることが重要です。関連する知識を紐付けながら学習することで、記憶の定着率を高めることができます。
次に、過去問演習は、短答式試験対策において最も重要な要素の一つです。過去問を解くことで、出題傾向や難易度、時間配分などを肌で感じることができます。単に解答を覚えるのではなく、なぜその選択肢が正しく、なぜ他の選択肢が誤っているのかを一つ一つ丁寧に検討することが重要です。間違えた問題については、必ずテキストや基本書に戻って知識を確認し、理解が曖昧な部分を解消するように努めましょう。
また、過去問演習を繰り返す中で、自分が苦手とする分野や知識が曖昧な部分が明確になってきます。そのような弱点を発見したら、集中的に復習を行い、克服していくことが合格への近道となります。
さらに、短答式試験は時間との勝負でもあります。マークシートへの記入時間も考慮し、時間配分を意識した演習も欠かせません。本番を想定し、制限時間内に全ての問題を解き終える練習を繰り返すことで、時間管理能力を高めることができます。
短答式試験対策は、ともすれば論文式試験対策の合間に行われるものと捉えられがちですが、合格のためには戦略的なアプローチが不可欠です。「主戦場は論文」という意識を持ちつつも、短答式試験の重要性を認識し、合格者の平均点を目標とした効率的な対策を講じることこそが、司法試験突破への賢明な道と言えるでしょう。焦らず、着実に、そして戦略的に学習を進めていきましょう。
来年以降の受験生なら:資格スクエア「短答攻略クエスト」
来年以降の司法試験・予備試験合格を目指す皆様に、短答式試験対策としてぜひ活用していただきたいのが、資格スクエアの短答攻略クエストです。
短答攻略クエストの最大の特長は、司法試験・予備試験の全年度の過去問をいつでもどこでも手軽に演習できる点にあります。これにより、司法試験合格に必要な短答式試験対策を、基礎から実践まで一気通貫で行うことが可能です。さらに、最新年度の問題も順次追加予定とのことで、常に最新の出題傾向に対応した学習が期待できます。
レベル到達で無料開放される豊富な問題も魅力の一つです。会員登録をするだけで令和3年度の7科目分の過去問が無料でプレゼントされ、正答問題数を積み重ねてレベルアップすることで、さらに多くの問題が無料で開放されます。「もっと解きたい!」という方には、年度・科目ごとに問題を購入することも可能です。
また、他の受験生と競い合えるミニテスト&ランキング機能も、学習のモチベーション維持に大きく貢献します。定期的に開催されるミニテストに参加することで、自分の実力を客観的に把握できるだけでなく、全国のライバルたちのレベルを知る良い機会となるでしょう。実際のテストと同じ時間制限の中で演習できるため、本番に向けた時間感覚を養うこともできます。
資格スクエアアドバイザーである東京大学薬学部 池谷裕二教授が提唱するように、脳科学理論に基づいた学習法を取り入れているのも短答攻略クエストの強みです。学習を始めたばかりの初学者こそ、ミニテストを積極的に活用することで、効率的な知識の定着が期待できます。
充実した演習機能も見逃せません。司法試験短答式試験一桁合格者が監修した詳細な解説は、まるで質の高い講義を受けているかのように学びが多く、理解度を確認できる「解説チェック」機能も搭載されています。さらに、豊富なフィルター機能で復習がしやすく、正答率や科目別分布図などで自身の学習状況を美しく可視化できるため、弱点克服に繋げやすいでしょう。
復習だけでなく予習にも活用できる点も、脳科学的に理にかなった学習法と言えます。体系目次で整理されているため、講義前に同じ体系の問題を解くことで「分からない」という記憶が残り、講義中にその知識と結びつくことで、より深い理解と記憶の定着を促します。
さあ、無料で始められる資格スクエアの短答攻略クエストを活用して、効率的に短答式試験対策を進め、司法試験合格への道を力強く歩み始めましょう。
▼詳細は以下の記事をご覧ください▼
法スタ
資格スクエアのアプリ「短答攻略クエスト」の口コミや評判は?利用メリットや使い方を紹介 | 法スタ
「資格スクエアの短答攻略クエストの評判って?」「短答式問題の対策って、効率的に行いたいけど、どのアプリが効果的なのか気になるな」「短答攻略クエストって本当に無料…
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