「眠素」の小さな救世主。
民事訴訟法の基本書は、分厚過ぎて読めない!!
分厚い本の方が理論的に精緻であったり、網羅性が高くなる利点はあろうと思われますが、通読をするには時間がかかり、骨が折れます。従って民事訴訟の全体像を掴むことが大変困難であり、今どこにいるのか迷子になることが多いのではないでしょうか。かく言う私もその一人。リーガルクエスト民事訴訟法に初学段階で挑戦し、見るも無残に砕け散りました。
これに対して本書は、なんと289頁!民事執行法・保全法なども含めているにも関わらずコンパクトに纏まっています。短時間で通読をすることができますので、容易に民事手続の全体像を掴むことができます。
また、日常生活の中で、民事訴訟を起こし起こされる機会には恵まれません。そのため、民事訴訟法の学習においては具体的な事案がイメージし辛いように思います。「抽象的でよく分からん」、「民訴じゃなくて眠素の間違いじゃねえか」などと言われるのもその為であるように思います。
この点本書では、6つのケースをもとにして手続の過程が説明されています。手続が具体的にイメージできることに加え、事例が6つに絞られているため段々と登場人物に愛着が湧いてきます。民事執行法・保全法のあたりまで来ると、どうしても石田清を救ってあげたい・小早川実に金を払わせたい気持ちになり、結果的に内容についての理解が進みました。
他にも、豊富な図表やユーモラスな表現など、素晴らしい点がいくつもあります。民事訴訟法の教科書で、「バブー!」(38頁)なんて記載が出てくるのは本書くらいでしょう。
本書を読んだ後にリーガルクエストを読んでみると、意図するところが掴めるようになりました。民事訴訟法で悩んでおられる方々に、おすすめの一冊です。
司法試験受験生
Pick Up 口コミ
憲法の基本書。 司法試験受験者が芦部以外に基本書を読む場合には,リークエ(2冊組)や基本憲法(人権分野のみ)が考えられるが,本書は一冊で人権から統治までカバーできる。憲法の各人権の歴史的 […]
Pick Up 口コミ
倒産法の定番の入門書といえば、本書『倒産処理法入門』です。入門書とのタイトルですが、その内容は破産手続・民事再生手続、更生手続、特別清算手続、金融機関の倒産処理や国際倒産など幅広く取り扱わ […]
Pick Up 口コミ
行政法の基本的事項の知識を確認しつつ、その事例問題に活かし方を学ぶことができます。問題数は行政法総論と行政救済法合わせて30問で、ページ数は300ページ弱です。この著者の説明は非常に分かりやすく […]
Pick Up 口コミ
アガルートの一問一答シリーズ。最近になって出版されたものだが、受験生の間では既に定評を獲得しているように思う。大学受験等で同様の形式のものが沢山あったが、この司法試験業界には、なかった形式 […]
Pick Up 口コミ
憲法の条文を網羅的に掲載し、それに関連付けた形で、判例、学説などが整理されています。予備校テキストのため、図表も豊富に掲載されているので、ビジュアルで理解が進みます。私の場合、短答知識はこ […]
Pick Up 口コミ
民事訴訟法は司法試験で判例の射程がよく問われることは周知の通りである。事案のここが違ってるから、判例の結論とは違くなる、ということを説明できなければならない。そのため、百選の事案の部分は […]
Pick Up 口コミ
行政法はいまいちイメージの掴みにくい科目の一つです。書き方もパターン化しにくく、苦手とする人が多いと思います。 この本は、重要論点を含む問題の思考過程、答案の流れを超詳しく説明してくれるので […]
Pick Up 口コミ
行政法の演習書は何冊か使っていますが、もし一冊だけ買うとしたら事例研究行政法だと思います。結構昔から司法試験受験生に使用されている演習書で記述に安心感があります。難しいと感じる場合には、問 […]
Pick Up 口コミ
このシリーズはどれもお勧めできるが、とくに商法についてはお勧めできる。解説が丁寧なのはあたりまえとして、この演習本は網羅性が乏しいが、商法は出題される範囲がある程度限られているので、この演 […]
Pick Up 口コミ
瀬木比呂志という,元裁判官で明治ローの教員の民訴基本書。裁判に関する批判的な本を多数執筆しているが,専門書は一般書ほど癖はない。 本書は民訴法をはじめて学習する人には難しすぎるが,薄い一 […]