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実際の憲法(基本権)問題の判断において必要とされる論理構造を解き明かす。 防御権の「原則-例外関係」を前提とした「三段階審査」,原則-例外を観念できない積極的権利の「下限の統制」,制度に依存した権利の「制度準拠審査」など,『憲法上の権利』の論証作法を広く示すとともに,判例との理論的整合を図る。
今次の改訂では新版刊行以降の新判例(堀越事件,婚外子法定相続分平成25年決定,夫婦同氏規定判決,再婚禁止期間訴訟等)を織り込み,権利性の否定,制度準拠審査,「事情の変化」論の記述を大幅に改める。
A 三段階審査――防御権の作法
第1章 「憲法上の権利」の基礎
第1節 憲法上の権利
Ⅰ 基本構造
Ⅱ 原則-例外関係
第2節 防御権の作法
Ⅰ 基本形
Ⅱ 判例を読む
第2章 保護領域と制限
第1節 保護領域の画定
Ⅰ 保護領域
Ⅱ 保護領域からの除外
Ⅲ 基本権の競合
第2節 制限
Ⅰ 制限
Ⅱ 承諾(基本権の放棄)
Ⅲ 「制限」と「具体化・内容形成」
Ⅳ 保護領域と制限の関係
第3章 制限の正当化
第1節 形式的観点
Ⅰ 法律の根拠
Ⅱ 委任立法
Ⅲ 条例による制限
Ⅳ 規範の明確性
第2節 実質的観点
Ⅰ 絶対的禁止と相対的禁止
Ⅱ 規制目的と公共の福祉
Ⅲ 比例原則
Ⅳ 最高裁と比例原則・審査密度
第3節 比較衡量・二重の基準・比例原則
Ⅰ 比較衡量
Ⅱ 二重の基準論
第4章 包括的自由権と法の下の平等
第1節 包括的自由権
Ⅰ 一般的自由
Ⅱ プライバシーと情報自己決定権
第2節 法の下の平等
Ⅰ 保護領域と二段階審査
Ⅱ 別異取扱いとその正当化
B 下限統制・制度準拠審査──もう1つの作法
第5章 積極的権利と制度保障
第1節 積極的権利(給付請求権)
Ⅰ 積極的権利の特徴
Ⅱ 積極的権利の法的性格
Ⅲ 積極的権利の作法
Ⅳ 補論―─基本権保護義務
第2節 私法関係と基本権
Ⅰ 私人間効力
Ⅱ 間接適用説
Ⅲ 基本的な考え方
Ⅳ 私人間効力論の射程
第3節 制度保障
Ⅰ 従来の議論
Ⅱ 「制度を保障」することの意味
Ⅲ 公法上の制度的保障
Ⅳ 財産権と私法上の法制度
第6章 権利の論理と制度の論理
第1節 権利の制限と制度の形成
Ⅰ 2つの論証作法
Ⅱ 「権利制限」か「制度形成」か
Ⅲ 「投票価値の平等」に対する3種のアプローチ
Ⅳ 小括
第2節 制度準拠審査
Ⅰ 立法裁量強調型
Ⅱ 立法裁量縮減型
Ⅲ 立法裁量限定型
Ⅳ 裁量過程統制型
Ⅴ 基本的な考え方
第3節 消極的権利と制度(法令)の参照
Ⅰ 職業・営業の自由
Ⅱ 表現・集会の自由
C 司法的救済の諸問題
第7章 基本権訴訟の要件と限界
第1節 付随的違憲審査の要件と限界
Ⅰ 法律上の争訟
Ⅱ 補論――取消訴訟
Ⅲ 違憲主張の適格と憲法判断の必要性
Ⅳ 違憲審査の限界
第2節 立法不作為の司法的救済
Ⅰ 給付の積極要件と消極要件
Ⅱ 解釈による欠缺補充の可能性
Ⅲ 立法不作為と訴訟選択
第8章 憲法上の権利と法令の解釈・適用
第1節 解釈・適用審査の概要
Ⅰ 解釈・適用審査の類型
Ⅱ 解釈・適用審査の観点
第2節 合憲限定解釈と過剰包摂型審査
Ⅰ 合憲限定解釈
Ⅱ 過剰包摂型(狭義の適用違憲)審査
Ⅲ 補論――最高裁における「事情の変化」論
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