法学部入学前に読まなあかん!!おすすめの書籍を厳選紹介‼︎

今回は、これから法学部に入学する人向けに、おすすめ書籍を厳選してご紹介いたします。

当サイトは、「あなたの法律にかける思いを実現するために—どのような時間も納得いく価値を生み出すために」をキャッチコピーに、挑む人に応え、法学勉強者を支援するようなサービス提供に努めております。詳しくは、本記事の末尾をご確認ください。

法学部に入学する前に法律を勉強するべきか?

これから、法学部へ入学する方々の中には、「入学前に法律を勉強するべきか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

法学部は、文系学部の中で人気の高い学部の一つであり、様々なバックグラウンドを持つ人が入学する学部です。潰しの効く学部と聞いたから入学する人もいれば、中には、既に「司法試験合格」という目標を掲げて、入学前から法律の勉強を開始している方もいるでしょう。実際のところ、入学後に周りを見てみると、前者の方のほうが多いのではないでしょうか。「文系の中で偏差値が高い」や「公務員試験に有利」などの理由で入学し、実際のところ、なぜ「法律を勉強したかったのか」という、明確な目的や理由を説明できない方も多いと思います。

では、そのような、明確に法律を学ぶ理由を持てないまま入学予定の学生の皆様に聞きます。

「入学前に法律を勉強をするべきでしょうか?」

当サイトの見解は、「否」です。法学部に入学する前に法律を勉強する必要はないと思います。

もちろん、司法試験に向けて予備試験に合格したい方や、司法書士になりたいという思いを抱き、目標を持っている方は勉強した方が良いと思います。

しかし、法律を学ぶ理由も分からないままに、法律の勉強を開始することについて、あまりお勧め出来ません。法学部に入学して、勉強する法学は、非常に厄介な学問です。法律の勉強は難しく、挫折する人が多いです。その理由をいくつかピックアップして説明させて頂きます。

法律の勉強が難しい理由

①学習範囲が広すぎる

法律の勉強が難しい理由の最たるは、「学習範囲が広すぎる」ことだと思います。法律の勉強を開始しようと勉強内容を調べたり、参考書を買いに行ったりすると感じるかもしれませんが、何から手をつければ良いか分からないくらいに学習範囲が広いです。

例えば、法律の最難関試験の「司法試験」でいうと、最低7科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法)を受験することがマストです。一見、科目数自体は、そう多くないと言えます。大学受験の科目と比較しても同程度と言えるでしょう。

しかし、一科目ごとの学習範囲が膨大です。条文はもちろん、判例、学説など学習すべき事項は大変多いです。判例は、最高裁判所の判決等のことですが、判例を理解する前には、その判断の前提となる時事関係を理解する必要があります。この事実関係を整理するだけでも相応の労力がかかります。そして、一科目あたり少なくとも100個以上の判例を読み込む必要があり、想像するだけで非常に厄介な学問であることが分かるかと思います。

②抽象性が高い

法律はその性質上、抽象性が高く、一読しても理解することは難しいです。具体的に法律の内容を定めてしまうと、適用範囲などに幅をもたすことができなくなってしまうためです。法律は、基本的に人の権利を制限し、義務を課すものであるため、その法律の適用は、公平に運用される必要があります。法律を公平に運用するためには、個別具体的ではだめであり、抽象的でなければなりません。そのため、一度読むだけで内容を完全に理解することがかなり難しくなっています。

法律の勉強とは?

これから法学部に入学される皆様にお聞きします。なぜ、法律を勉強するのでしょうか。説明できる方は少ないのではないでしょうか。なんとなく公務員試験に有利、潰しがきく、文系で偏差値の高い学部だから、このような理由で法学部に入学される方が多いのではないでしょうか。

「法律の勉強」といえば、「六法全書の暗記」と考えている人もいるでしょう。確かに、六法に掲載されている条文を覚えることも法律の勉強のひとつでしょう(丸暗記は不要です)。しかし、法律の本質的な学びは、それではありません。法律の勉強で求められることは、なぜ、その法律があるのか(法律の世界では、よく「趣旨」という言葉を使います)、すなわち、法律の趣旨から考えることが求められます。

法律の趣旨から考える

例えば、刑法199条は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」と規定しています。この条文を少し法的に整理して表現してみます。「人を殺」すという構成要件を充足する場合には、「死刑」又は「5年以上の懲役」という刑罰が発生するということを規定しています。なぜ、このような「要件」と「効果」を定めているのでしょうか。これを考えることが法律の勉強では、重要です。

「趣旨」を理解することは、法律の解釈の際に不可欠となります。上述したように、法律は、「抽象性が高い」です。抽象性が高い分、様々な解釈の余地があります。例えば、「人を殺す」にも様々な解釈があり得ます。脳死にさせた場合は殺人いえるのか、胎児は「人」に含まれるのかなどです。このような解釈論の際に、法の趣旨に遡って検討することになります

法律によって社会をよりよくする

刑法199条の趣旨は、なんでしょうか。殺人を抑止するということにあります。殺人を抑止するために、「死刑」又は「懲役」という刑罰を設定しているのです。法律の制定者は、「死刑」等の刑罰という「インセンティブ」を課すことで、社会で殺人が発生することを抑止しようと考えたのでしょう。このように、法律は、「インセンティブ」を設定することで、社会の問題を解決していきます。

『法学を学ぶのはなぜか』を是非読んでほしい

さて、本記事でご紹介したい書籍は有斐閣の『法学を学ぶのなぜ?』です。

帯には、「この世には、条文を暗記しただけでは解決できない問題がたくさん。法学って役に立つの?」と記載され、そのあとには、「閃きの鍵は、インセンティブ!」との記載があります。どうやら「インセンティブ」がキーワードのようです。

本書を読めば、法律を学ぶ理由が明確になります。法学部に入学する前だからこそ、本書を読み、周りに差をつけましょう。すでに、入学済みの方も全く遅くありません。今日があなたにとって最も早い日です。今日からはじめてください。

最後に、参考に搭載に投稿された口コミを紹介しておきます。

なぜ法律は、要件と効果の組み合わせから成り立つのか?このことについてあなたは、説明することは出来ますか。即答できない方は、本書を一読する価値があります。法律の勉強では、要件と効果を押さえることが、大切だと教えられますが、そもそも、なぜ法律は、要件と効果の組み合わせから構成されるのかは、教えられたことがない。私も、これまで考えてきたことはありませんでしたが、本書を読んでようやく理解することが出来ました。また、本書には、ルールメイキングについて考察が及びます。インセンティブという観点から、ルールメイキングの成功例と失敗例が詳細に解説されています。1日あれば、通読が可能ですので、是非読んでみてはいかがでしょうか。

—司法試験合格者

法書ログ「法学を学ぶのはなぜ?の書評・口コミ」

法律を学ぶ理由がわかったら

法学部では、講義、ゼミ、レポート作成、リーガルリサーチなど様々なことに取り組まなければなりません。これから沢山の困難に直面するでしょう。法学部入学前の今だからこそ、しっかり準備して、挑みましょう。

さて、法律を学ぶ理由が分かったら、まずお勧めしたいのは「プレップ法学を学ぶ前に」の熟読です。

本書は、法律書学者が法学に躓くポイントとして2点指摘しております。

第一は、法学における議論の性格が理解出来ていないこと。これが分からないと、何のための議論なのかわからないということになります。

第二に、教員等が講義の当然の前提としている基礎知識が法律初学者には欠けていることです。

本書は、上記2点を躓きの原因と捉えて、これらの躓きの原因を解消するための内容となっております。

本書の構成は次の通りです。

第1章は、「法学における議論の特徴」です。この章では、法規の構造、法解釈の必要性、事実認定のルールなど、法学を学ぶ前提として必ず押さえておきたい基礎知識が解説されております。

第2章は、「法解釈の諸方法」です。これから皆さんは様々な法解釈に触れていくことになりますが、法解釈の基本的な手法から条文の読み方の基礎まで学ぶことができます。

第3章は、「法の体系と形式」です。この章では、実体法と手続法、行為法と組織法など、法の分類について学ぶことができます。

第4章は、「法の適用」です。ここでは、民事裁判手続の概要、刑事裁判手続の概要などの裁判手続きを概観出来ます。

第5章は、「法の担い手」です。法律家といえば、弁護士を思い浮かべる方が多いかと思いますが、そのほかにも、裁判所調査官、公証人、司法書士など法律家と呼ばれる職業は意外とあります。各法律家の役割などがわかります。

第6章は「判決の読み方」です。判例学習は、法学の基本ですが、判決は読み方を理解したいないとかなり読みづらいです。この章では、我流で読み進めがちな判決について、基本的な読み方を学ぶことができます。

最後に、第7章は「必要なツールと参考になる本」です。これから法律を学んでいく方に必要な本や参考となる本が紹介されています。六法はどれを選べばよいのか。などが解説されています。

書籍選びは、悩ましい点ですが、当サイトは、よりよい書籍選びが出来るようにリリースしたサイトになりますので、ぜひご活用のほどお願い致します。

 

学び始めでつまづかないために。法学の世界ではなぜそのような議論をするのかがわかり、講義や教科書が前提としている基礎知識をやさしく解説。法学を学ぶ準備がととのう「真」の入門書、民法改正に対応。各章末に確認問題付き。

内容紹介(「BOOK」データベースより)

法解釈の方法、法学の議論の特徴、法体系や判例の読み方など法学特有のスキルを口語体で解説した書籍です。ページ数は、150ページ程度でコンパクトであり、法学にこれから入学する人におすすめの書籍です。半日もあれば通読可能ですので、サクッと読み込むことが可能です。ロングセラーの書籍ですから、買って損はしないと思います。

さらに進んでリーガルリサーチ

法律の勉強には、文献リサーチが不可欠となります。「法律の調べものの方法がわからない」という方は、リーガルリサーチを勉強するのもよいかと思います。判例の調べ方、外国法の調べ方、論文の調べ方などを事前に知っておくと、法学部での学習がスムーズに進むことでしょう。

リーガルリサーチを学びたいのであれば以下の書籍がおすすめです。

最後に

これから法学部に入学する方向けにおすすめの書籍を紹介させていただきました。

▽法学部入学生にもおすすめ書籍▽

憲法( 芦部信喜)の書評・口コミ – 法書ログ (hosyolog.com)

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