司法試験、予備試験の選択科目の
選び方が知りたい
自分で選べないからおすすめの
選択科目を教えてほしい
司法試験に合格がしやすい
選択科目を知りたい
そろそろ、
選択科目の対策を
始めないとな。
でも、まだ
どの選択科目にするか
決まっていない。
どうやって決めるのかな…。
やってみたい科目で
いいのかな?
ちょっと待って、
あひるっぺ!
8つある選択科目の中には
「合格率の高い科目」が
あるんだよ。
それを知らずに
選んでしまうと、
後悔してしまうかも
しれない。
何しろ、
科目によって
合格率が約20%も
差がある年がある。
選択科目は、
早く対策をすれば
それだけアドバンテージに
なる科目だよ。
選択科目をさっさと決めて
対策を始めよう!
今回は、司法試験、予備試験受験生向けに「選択科目の選び方」と「おすすめ3科目」をご紹介させて頂きます。
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目次
司法試験、予備試験の選択科目とは
選択科目って、そもそも
何科目あるんだっけ?
あひるっぺ、選択科目は
すべてで8科目だよ!
司法試験、予備試験の選択科目とは、論文式試験の選択科目のことです。
令和4年からは、予備試験でも論文式試験の選択科目が導入されました。
選択科目は次の8科目から一つ選びます。
・倒産法
・租税法
・経済法
・知的財産法
・労働法
・環境法
・国際関係法(公法系)
・国際関係法(私法系)
論文式試験での選択科目は基本7科目と若干異なるので注意が必要です。
選択科目は、
出題形式が若干異なる。
だから、注意だよ。
意外と知らない受験生が
多い点だ。
【公法系科目、民事系科目、刑事系科目】
問題1問につき100点、合計700点満点。
問題1問につき2時間。
問題1問につき答案用紙8頁。
点数配点 | 問題1問につき 100点 |
満点 | 合計700点満点 |
時間配分 | 問題1問につき 2時間 |
答案用紙 | 問題1問につき 8頁 |
【選択科目】
問題2問で計100点満点。
2問で計3時間(1問あたり1時間30分)。
問題1問につき答案用紙4頁。
満点 | 問題2問で 計100点満点 |
時間配分 | 問題2問で 計3時間 (1問あたり1時間30分) |
答案用紙 | 問題1問につき 4頁 |
選択科目は試験時間3時間で、100点です。
ただ、司法試験論文式試験では「各科目の満点の25%点」という最低ラインが設定されているため、選択科目を捨てて合格することはできません。(予備試験は、現時点で最低ラインは確認されていません)
司法試験合格のためには、論文式試験の選択科目の勉強を避けて通ることはできないわけです。
しかも、司法試験では、選択科目が試験日程の最初に行われるため、選択科目の出来具合が、他の科目の受験モチベーションに関わってくるので、できる限り良いスタートを切りたいものです。
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選択科目の選び方
8科目の中から、どれを選ぶべきなのかは大変重要です。選び方のポイントを確認してみましょう
選ぶ前に知っておきたいポイント
選択科目は将来の進路に関係するのか?
例えば、知的財産法に詳しい弁護士になりたいから、知的財産法を選ぶという方もいるかもしれません。
しかし、司法試験の論文を書けるようになっただけで、実務で通用するほどの知的財産法に関する専門知識が身に付いたとは言えないでしょう。
どの分野に進むにしても、実務で必要な知識は、実務に入ってから勉強し直さなければなりません。
ただし、例えばブティック系の事務所に就職をしたいのであれば、知財系のブティックであれば、知的財産法を選択し、労働法系のブティック事務所であれば、労働法を選択するのが無難だとは思います。
しかし、選択科目で関係のない科目を選んでいたからといって、ブティック系法律事務所への就職が閉ざされるというわけではないでしょう。
専門分野や関心のある分野のアピールの方法としては、例えば、知的財産専門の法律事務所の就活であれば、別途、弁理士や知的財産管理技能士等の資格を取るというのも一つでしょう。
したがって、進路のとの関係はそこまで重視する必要はないかと思います。
科目ごとに勉強量や勉強時間の違いはあるのか?
インプットの量が少ないとされているのが、「経済法」です。
しかし、インプットの量が少なくても、アウトプットは、どの科目でも多いです。たくさんの過去問演習をこなす必要があることに変わりはありません。
科目により、勉強量や勉強時間に大差がつくということはないのではないかと思います。
もしも、大差があるなら、特定の科目だけが突出して人気科目になっているはずです。
労働法がずば抜けて人気がある科目ですが、だからと言って、勉強量や勉強時間が少なくて済むわけではありません。むしろ、インプットの量が多い科目で、結構な勉強時間を要します。
科目によって教材の充実さは違うのか
教材の充実度は、科目によって差があることは否めません。
やはり、人気科目は、受験生が多いことから、資格スクールでも力を入れて教材開発を行いますが、逆に、不人気科目は、資格スクールもコストをかけて教材開発するわけにはいかないからです。
あえて不人気科目を選択する場合は、資格スクールに頼り切るのではなく、ある程度、自分で基本書や判例集を読み込んで勉強していく覚悟が必要です。
具体的な選び方 3パターン
①得意な科目を選ぶ
後述のとおり、数字を比較すれば、「合格しやすい科目」や「人気のある科目」があることが分かります。
「労働法」のように、受験者数が多いということは、それなりの理由があって人気になっています。
実際の本試験問題を見比べてもどれを選んだらいいか分からないなら、やはり「労働法」を選択するのが無難ということになります。
受験者数が多ければ、資格予備校も対策を強化していますから、教材や講座も充実しており、勉強しやすいはずです。
しかし、一般的には、上記の数字は、あまり気にせず、自分の勉強しやすい科目を選んだ方がよいでしょう。
不動の不人気科目である「国際公法」にしても、この分野を大学やロースクールなどで専門的に勉強してきたとか、この分野の仕事に関わっていたのであれば、躊躇なく、選択してよいでしょう。
税理士試験の受験経験がある方なら「租税法」を選ぶべきですし、弁理士試験の経験があるなら「知的財産法」を選ぶべきなのは言うまでもありません。
②データ分析して選ぶ
得意な科目がない方は、後述のとおり、各選択科目の合格者数や合格率を分析して、合格率の高い選択科目を選ぶのも一つかもしれません。
ただ、当該選択科目を選択した受験生の司法試験合格率が高いということは、それだけ当該選択科目を受験した受験生のレベルが高いということを意味しているかもしれません。
また、受験者数を比較することで、受験生に人気の科目が分かります。
③学びたい科目を選ぶ
結局のところ、一番の決め手は、「あなたがその法律を勉強したい、学びたいと思うかどうか」になるかと思います。これまで述べてきた考慮要素は検討された方が良いかと思いますが、どうせ勉強するならば一番モチベーションをもって勉強できる科目がよいでしょう。
どの選択科目の合格率が高いのか
どの科目で合格率が
高いのだろう。
本当に差はあるのかな?
法務省が受験生数を
公表している。
それを確認すれば
受験生に人気な科目や
合格率の高い科目が
分かるぞ!
では一緒に見ていこう!
②と③の方法で科目を選ぶ方に、知って頂きたいのは、「どの科目で合格率が高いか」ということです。8科目もあれば、個性があります。その中でも、合格率が高い科目も実は存在しています。
司法試験の選択科目における近年の特徴
司法試験や予備試験においてそもそもの受験者数が減少しているため、受験者数は減少傾向です。
対して、合格者数は、受験者数ほどの減少率はありません。
そのため、近年の合格率の推移は、租税法以外で、上昇傾向です。
選択科目ごとの受験者数、合格者数、合格率
法務省がデータを選択科目ごとの受験者数と合格者数を発表しているので確認してみましょう。
青枠の中の数字の左が当該選択科目の受験者数を、左が当該選択科目の合格者数を表します。「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●倒産法
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 608 | 452 | 437 | 420 |
合格者数 | 230 | 204 | 202 | 207 |
合格率 | 38% | 45% | 46% | 49% |
令和4年 420人(13.7%)207人 (14.75%)
令和3年 437人(12.9%)202人 (14.22%)
令和2年 452人(12.3%)204人 (14.07%)
令和元年 608人(13.7%)230人 (15.31%)
【参考】平成19年 1,046人( 22.7%)456人(24.6%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●租税法
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 329 | 288 | 277 | 208 |
合格者数 | 97 | 97 | 109 | 78 |
合格率 | 29% | 34% | 39% | 38% |
令和4年 208人( 6.8%)78人 (5.56%)
令和3年 277人( 8.2%)109人 (7.67%)
令和2年 288人( 7.9%)97人 (6.69%)
令和元年 329人( 7.4%)97人 (6.46%)
【参考】平成19年 236人( 5.1%)100人(5.4%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●経済法
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 789 | 683 | 639 | 583 |
合格者数 | 273 | 269 | 277 | 276 |
合格率 | 35% | 39% | 43% | 47% |
令和4年 583人(19.1%)276人 (19.67%)
令和3年 639人(18.8%)277人 (19.49%)
令和2年 683人(18.6%)269人 (18.55%)
令和元年 789人(17.8%)273人 (18.18%)
【参考】平成19年 433人( 9.4%)175人(9.5%)
●知的財産法
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 597 | 525 | 486 | 464 |
合格者数 | 194 | 200 | 193 | 219 |
合格率 | 32% | 38% | 40% | 47% |
令和4年 464人(15.2%)219人 (15.61%)
令和3年 486人(14.3%)193人 (13.58%)
令和2年 525人(14.3%)200人 (13.79%)
令和元年 597人(13.5%)194人 (12.92%)
【参考】平成19年 766人( 16.7%)298人(16.1%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●労働法
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 1299 | 1104 | 1009 | 911 |
合格者数 | 482 | 481 | 455 | 435 |
合格率 | 37% | 44% | 45% | 48% |
令和4年 911人(29.8%)435人 (31.00%)
令和3年 1,009人(29.7%)455人 (32.02%)
令和2年 1,104人(30.1%)481人 (33.17%)
令和元年 1,299人(29.3%)482人 (32.09%)
【参考】平成19年 1,453人( 31.6%)591人(31.9%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●環境法
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 256 | 161 | 143 | 129 |
合格者数 | 72 | 46 | 44 | 41 |
合格率 | 28% | 29% | 31% | 32% |
令和4年 129人( 4.2%)41人 (2.92%)
令和3年 143人( 4.2%)44人 (3.10%)
令和2年 161人( 4.4%)46人 (3.17%)
令和元年 256人( 5.8%)72人 (4.79%)
【参考】平成19年 251人( 5.5%)97人(5.3%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●国際関係法(公法系)
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 59 | 48 | 46 | 38 |
合格者数 | 13 | 13 | 19 | 18 |
合格率 | 22% | 27% | 41% | 47% |
令和4年 38人( 1.2%)18人 (1.28%)
令和3年 46人( 1.4%)19人 (1.34%)
令和2年 48人( 1.3%)13人 (0.90%)
令和元年 59人( 1.3%)13人 (0.87%)
【参考】平成19年 92人( 2.0%)30人(1.6%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
●国際関係法(私法系)
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
受験者数 | 492 | 403 | 355 | 307 |
合格者数 | 141 | 140 | 122 | 129 |
合格率 | 29% | 35% | 34% | 42% |
令和4年 307人(10.0%)129人 (9.19%)
令和3年 355人(10.5%)122人 (8.59%)
令和2年 403人(11.0%)140人 (9.66%)
令和元年 492人(11.1%)141人 (9.39%)
【参考】平成19年 320人( 7.0%)104人(5.6%)
※「()」の中は受験者や合格者数それぞれの全体の人数における割合を示しています。
どの科目で合格率が高いのか
【選択科目 合格率と合格率ランキング】
(令和4年度~令和2年度)
※赤字:合格率ランキング上位3位以内の科目
令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | ||||
倒産法 | 49.3% | 1位 | 46.2% | 1位 | 45.1% | 1位 |
租税法 | 37.5% | 7位 | 39.4% | 6位 | 33.7% | 6位 |
経済法 | 47.3% | 4位 | 43.3% | 3位 | 39.4% | 3位 |
知的財産法 | 47.2% | 5位 | 39.7% | 5位 | 38.1% | 4位 |
労働法 | 47.7% | 2位 | 45.1% | 2位 | 43.6% | 2位 |
環境法 | 31.8% | 8位 | 30.8% | 8位 | 28.6% | 7位 |
国際関係法 (公民系) | 47.4% | 3位 | 41.3% | 4位 | 27.1% | 8位 |
国際関係法 (私民系) | 42.0% | 6位 | 34.4% | 7位 | 34.7% | 5位 |
各科目の合格率のランキングを見てみると、例年同じ科目で合格率が高いことが分かります。上の表の左が合格率で、右がその年の合格率の高い選択科目のランキングです。ランキングの上位であれば、その年合格率の高かった科目ということになります。
表に並べてみてみると、合格率の高い科目の傾向が見えてきます。
近年、合格率が高い選択科目は、「倒産法」「労働法」「経済法」です。
これらの科目には共通点があります。それは、選択科目の中でも受験者数の多い人気な科目という点です。
例年、受験者数が多い人気の科目は上位から、「労働法」「経済法」「知的財産法」「倒産法」です。
【選択科目 受験者数ランキング(令和4年度~令和2年度)】
※赤字:受験者数ランキング上位4位以内の科目
令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | |
倒産法 | 4位 | 4位 | 4位 |
租税法 | 6位 | 6位 | 6位 |
経済法 | 2位 | 2位 | 2位 |
知的財産法 | 3位 | 3位 | 3位 |
労働法 | 1位 | 1位 | 1位 |
環境法 | 7位 | 7位 | 7位 |
国際関係法(公民系) | 8位 | 8位 | 8位 |
国際関係法(私民系) | 5位 | 5位 | 5位 |
なお、知的財産法は人気な割に、合格率が高くない科目のようです。
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選択科目毎に合格率はどれくらい差があるのか
受験者数と合格者数を比較して、合格者数の割合が増えている科目は、数字上は合格しやすい科目であると言えるかもしれません。先ほど合格率の高かった、3科目を中心に見ていきましょう。
下の表では、受験者と合格者を比較し、それぞれの全体の数での比率の記載しています。マーカーで色を付けたの科目は合格者の割合が上昇した科目です。
【選択科目 科目別割合 受験者と合格者】
(令和4年度~令和2年度)
※マーカー:受験者の割合と比較し、合格者の割合が上昇した科目
令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | ||||
受験者 | 合格者 | 受験者 | 受験者 | 合格者 | 受験者 | |
倒産法 | 13.7% | 14.8% | 12.9% | 12.3% | 14.1% | 13.7% |
租税法 | 6.8% | 5.6% | 8.2% | 7.9% | 6.7% | 7.4% |
経済法 | 19.1% | 19.7% | 18.8% | 18.6% | 18.6% | 17.8% |
知的財産法 | 15.2% | 15.6% | 14.3% | 14.3% | 13.8% | 13.5% |
労働法 | 29.8% | 31.0% | 29.7% | 30.1% | 33.2% | 29.3% |
環境法 | 4.2% | 2.9% | 4.2% | 4.4% | 3.2% | 5.8% |
国際関係法(公民系) | 1.2% | 1.3% | 1.4% | 1.3% | 0.9% | 1.3% |
国際関係法(私民系) | 10.0% | 9.2% | 10.5% | 11.0% | 9.7% | 11.1% |
「倒産法」「労働法」「経済法」は、どの年度も割合が増えているか、変化がありません。受験者数の割合より合格者の割合が下がる選択科目がある中、割合の上がる選択科目は他の科目より「合格しやすい科目」であるといえるのではないでしょうか。ただし、点数がとりやすい科目というよりは、当該選択科目を選択した受験生のレベルが他の選択科目を選択した受験生よりも高いということを意味していると考えることができます。
したがって、レベルの高い環境で勉強をしたい方は、合格率の高い選択科目を選ぶのも一つでしょう。
【参考:選択科目別受験者・合格者数の割合】
(令和4年度)
※外丸:受験者割合 ※内丸:合格者割合
逆に合格者数の割合の減少幅が大きい科目は、「合格しにくい科目」と言えるかもしれません。「租税法」、「環境法」、「国際関係法(私法系)」は、多少のばらつきはありますが、大体の年で受験者の割合と比較し、合格者の割合が1%近く減少しています。そのため、合格しにくい科目である可能性があります。
ただし、合格率が低い選択科目は、それだけ受験生のレベルが相対的に低い可能性があります。そうであれば、あえて合格率の低い選択科目を選ぶというのも一つですね。
この3科目に関しては、合格率も低く、合格率のランキングも下位にいることが多いです。ちなみに、合格率ランキングの1位と8位では、毎年15%ほどの乖離があります。令和3年では18%も差がありました。
【選択科目 合格率と合格率ランキング】
(令和4年度~令和2年度)
※赤字:合格率ランキング上位3位以内の科目
※青字:合格率ランキング下位3位以内の科目
令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | ||||
倒産法 | 49.3% | 1位 | 46.2% | 1位 | 45.1% | 1位 |
租税法 | 37.5% | 7位 | 39.4% | 6位 | 33.7% | 6位 |
経済法 | 47.3% | 4位 | 43.3% | 3位 | 39.4% | 3位 |
知的財産法 | 47.2% | 5位 | 39.7% | 5位 | 38.1% | 4位 |
労働法 | 47.7% | 2位 | 45.1% | 2位 | 43.6% | 2位 |
環境法 | 31.8% | 8位 | 30.8% | 8位 | 28.6% | 7位 |
国際関係法 (公民系) | 47.4% | 3位 | 41.3% | 4位 | 27.1% | 8位 |
国際関係法 (私民系) | 42.0% | 6位 | 34.4% | 7位 | 34.7% | 5位 |
参考ですが、現行司法試験初期の平成19年と比べて、受験者の割合が増えている科目は、最近人気になっている科目ということになります。
「経済法」が平成19年の9.4%から令和4年に19.1%と大幅に割合が増えていることは注目に値します。「国際関係法(私法系)」もわずかに増加しています。一方で、受験者の割合が減少しているのは、「倒産法」、「国際関係法(公法系)」あたりでしょう。
現行司法試験初期の平成19年から不動の人気を誇るのが、「労働法」です。一貫して3割の受験生が選択しています。次いで、「経済法」、「知的財産法」が続いています。
合格率が高い3科目、合格率が低い3科目
合格率が高い科目 | 合格率が低い科目 |
倒産法 | 租税法 |
労働法 | 環境法 |
経済法 | 国際関係法(私法系) |
「②得意な科目がない人は、合格率の高い科目を選ぶ」、「③学びたい科目を選ぶ」方法でどの選択科目で試験を受けるのか決める方には是非参考にしていただきたい表です。
ただし、ここで注意をして頂きたいのは
合格率が高い科目≠合格しやすい科目
合格率が低い科目≠合格がしにくい科目
ということです。
合格率が高い科目としては、「倒産法」「労働法」「経済法」ですので、飛びぬけて得意な科目がない方は、合格属性をあげる、という意味で当該3科目を選ぶのも一つです。
この3科目は、選択科目の中で合格率が高い科目です。
「労働法」は人気がある上に合格率が高い科目なので、おススメです。
「経済法」も人気があるうえ、合格者数の割合も微増している傾向があるので、勉強しやすい科目と言えるかもしれません。3番手としては、「倒産法」になるでしょう。
例年人気の高い科目の「知的財産法」がこの中に入っていませんが、人気な割に、合格率が低いため、あまりお勧めではありません(知財が得意であれば有利になると思います)。将来的に実務で使っていきたい方や、かなり得意で確実に点数が取れるかたにお勧めな科目かと思います。
対して、「租税法」、「環境法」、「国際関係法(私法系)」は合格率が高くなく、特段の理由がない限り、あまりお勧めではありません。合格率は選択科目の中で低く、合格率が高い科目よりも、15%以上合格率が低いことがあります。
他方で、合格率の低い「租税法」「環境法」「国際関係法(私法)」が得意な方や、充実した学習環境が揃っている方は、あえて選択するのもありです。選択科目がアドバンテージになる可能性があります。
そのほか、将来的に実務で使っていきたい方は、選択すると良い科目かと思います。
合格率の差を認識した上で
結局は「得意な科目」か
「学びたい科目」かで
決めてしまうと良いと思うぞ!
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選択科目のおすすめ3選
選択科目の選び方のヒントや選択科目ごとの合格率等を紹介してきましたが、迷ったら、合格率の高い人気科目を選ぶのが無難です(多くの受験生が受験しているだけでも安心しますね)。合格率が高い科目ごとの、特徴もまとめているので、特に得意科目や専門分野がない方は、自分に合いそうな科目を選んでみてください。
「労働法」
現行司法試験制度になって以来、一貫して30%近くの受験生が選択している不動の人気科目です。
人気科目であることから、資格スクールも力を入れて対策しており、講座や教材も充実しているので勉強しやすい科目と言えます。
労働法は、法学部出身の方なら、学部時代に勉強している可能性のある科目です。また、多くの方が会社員やアルバイトを経験していると思うので、勉強する際にもイメージがつかみやすい科目です。
弁護士になった場合は、労働者からの相談を受けることが多くあります。解雇された、残業代を支払ってもらえないといったような相談です。会社側をサポートする企業法務でも、労働法に関する相談は非常に多いです。労働法の知識は実務上、必須と言えるでしょう。
弁護士を目指すのであれば、労働法は実務でほぼ必須の知識になるため、受験生のうちに触れておいた方がよいと言えるでしょう。
労働法は、労働基準法、労働契約法、労働組合法などたくさんの法律から構成されており、それらの法律と判例を一つ一つ理解して覚えることが基本になりますから、勉強量としてはかなりの量になります。テキストもかなりの分厚さで、手に取った途端、うんざりしてしまう方もいるかもしれません。
ただ、出題傾向としては、条文や判例の知識をそのまま問う問題も多いため、知識を詰め込むことができれば、合格レベルの答案を書くことはそれほど難しくありません。
労働法はこんな方におすすめです。
・すでに法学部で勉強済みの方や社会保険労務士試験、労働基準監督官試験等を受けたことがある方
・条文や判例を暗記するのが得意な方
・特に関心がある選択科目がない方
「経済法」
経済法は主に、独占禁止法の知識を問う科目です。
独占禁止法自体は、条文数は少なく118条しかありません。独占禁止法は、規制対象となる経済活動の行為類型を規定している法律です。
試験問題では、具体的な事業活動を取り上げて、その活動が独占禁止法に抵触するかどうかを問う形になります。
条文よりも、判例や実務の考え方を押さえて、問題文の事例に当てはめていく形になります。
そのため、インプット量としては、他の科目と比べて少なくて済む科目として注目されています。
ただ、判例や実務の考え方を覚えるだけでは意味がなく、アウトプットを数多くこなして、独特の出題形式に慣れる必要があります。
経済法はこんな方におすすめです。
・丸暗記は苦手だけど、判例や実務の考え方を基とする当てはめが得意な方
・企業法務に関わりたい方
「倒産法」
倒産法とは、破産法、会社法上の特別清算、民事再生法、会社更生法の総称です。
既に勉強済みの方は察することができると思いますが、民事訴訟法の延長上にある科目です。
司法試験では主に、破産法と民事再生法から出題されます。
倒産法の教材は、労働法同様に分厚いものが多いので、大変な暗記が必要になる科目だとうんざりする方もいるかもしれませんが、民事訴訟法の延長にある科目であることから、取り組みやすい科目です。
覚えることは多いかもしれませんが、勉強すればするほど、民事訴訟法などの必修科目の理解も深まります。
その意味で、民事系科目をより強化したい方は、ぜひ選択した方がよい科目と言えるでしょう。
実務でも、会社の清算や債務整理などで、倒産法の知識が必要になるので、受験生のうちに一度は触れておいた方がよい科目です。
倒産法はこんな方におすすめです。
・民法、民事訴訟法が得意でさらに伸ばしたい方
・企業法務、一般民事に関わりたい方
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、司法試験、予備試験の選択科目の選び方とおすすめ3選をご紹介させて頂きました。選択科目を選ぶ際に参考になれば幸いです。
また、選択科目をどれにするか決めた方はすぐに対策に移りましょう。選択科目を時間をとって勉強できている受験生は多くありません。早く勉強を開始することがアドバンテージになりやすい科目と言えます。
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善は急げです。
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