Amazonギフト券500円が貰えるキャンペーン 詳しくはこちら!!

富山大学単位不認定事件(最判昭52.3.15)のどこよりも分かりやすい解説

当ページのリンクにはPRが含まれています。

かもっち・あひるっぺからの挨拶

かもっち

はじめまして、かもっち@hosyocomです。
皆さん、法律の勉強、お疲れ様です!!

法スタは、法律を学ぶすべての人に向けた法律の勉強法専門メディアです。

あひるっぺ

私は、司法試験受験生のあひるっぺ

司法試験予備試験法科大学院入試法律書籍人気予備校のレビュー
必要なノウハウや勉強の進め方を、初心者にもわかりやすく解説
しています。

かもっち

姉妹サイトとして「法律書籍の口コミサイト」や「法科大学院の口コミサイト」も運営しています。
音声解説の「法スタチャンネル」も大好評、運営中!

あひるっぺ

私たちは、合計370件以上の豊富なコンテンツを揃え、皆さんの法律学習を全力でサポートします。
知りたい情報が必ず見つかるはず!ぜひ一緒に学びましょう!

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!

(挨拶おわり)


富山大学単位不認定事件は、司法権の限界に関して、いわゆる「部分社会の法理」を定式化した判例として知られています。

結論から言うと、「大学の単位認定は、司法審査の対象にならない」と判断したわけですが、その結論に至る思考の過程を押さえることが大切です。

◆この記事を読めば分かること◆
・司法権の限界と部分社会の法理の意味
・大学における「単位認定」と「専攻科修了認定」の違い
・最高裁が示した「部分社会の法理」の判断基準
・この判例が司法試験対策において重要な理由

これらの知識を押さえることで、司法試験や法科大学院の学習において、司法権の限界と部分社会の法理の関係を深く理解することができ、判例の趣旨を正確に把握できるようになります。

かもっち

では、解説の開始です!

目次

あひるっぺ

みなさ~ん!
この記事の本題に入る前に、ちょっと耳寄りな情報をご案内します。

かもっち

「これさえやりきれば、もう怖くない!
そんな演習書や問題集が欲しいと思ったことはありませんか?
通称「重問」と呼ばれるアガルートの重要問題がおすすめ

あひるっぺ

その人気の秘密や効果的な活用方法について、アガルートの専任講師に直接インタビューを行いました。
受験生に支持される理由が詰まった記事、ぜひチェックしてみてくださいね!

\司法試験合格者占有率37.8%/


「司法権の限界」とは?

憲法76条では、司法権が裁判所に属する旨が期待されており、裁判所法3条にも、裁判所は「一切の法律上の争訟」を裁判すると定められています。

ただ、司法権にも限界があると解されています。

例えば、立法権との関係では、議事手続に関する事項などの議院の自律権に関わる事案は、原則として司法審査の対象になりませんし、行政権との関係でも、行政機関の裁量や自立に委ねられている事項は、原則として司法審査の対象になりません。

立法権、行政権に属しない領域でも、司法権の対象にならない事項もあります。

「部分社会の法理」とは?

「部分社会の法理」とは?
「自律的法規範を有する社会や団体(部分社会)の紛争については、内部規律の問題にとどまる限り、自治的措置に任せるべきで、司法審査の対象にならない」とする考え方です。

県議会議員の除名が問題になった米内山事件決定(最大決昭和28年1月16日 民集 第7巻1号12頁)の少数意見において、裁判官田中耕太郎氏が、「法秩序の多元性」という概念を打ち出し、「司法権の介入が認められない純然たる自治的に決定さるべき領域が存在する」と述べた上で、「裁判所が関係する法秩序は一般的のもののみに限られ、特殊的のものには及ばない」との考え方を示したことがきっかけで、「部分社会の法理」が知られるようになりました。

その後、最高裁において、この考え方が影響力を持つようになり、富山大学単位不認定事件において、「部分社会の法理」として定式化されました。

富山大学単位不認定事件の概要

事件の概要
国立の富山大学経済学部の学生であったXらは、A教授担当の講義を履修していました。

富山大学は、A教授に不正行為があったとして、授業担当停止措置を打ち出したうえで、Xらには代替授業を受講するように指示しました。しかし、XらはA教授の講義を受講し続け、A教授から合格判定を得ました。

これに対して大学側は、A教授の講義は、学部の正式な授業ではないとして、単位を認定せず、専攻科修了の認定もしませんでした。

そこでXらが、富山大学の学長や学部長を被告として、単位認定・専攻科修了認定に関する不作為の違法確認、または単位認定・専攻科修了認定義務の確認を求めて、訴えを提起しました。

第一審は、国立大学の単位認定・専攻科修了認定は「特別権力関係における内部事項」に当たるとして、司法審査の対象外であるとして訴えを却下しました。第二審は、特別権力関係内部事項でも、一般市民の権利義務と関わるものは司法審査の対象になると判断しました。

その上で、以下の判断を下しました。

判断
「単位認定」は一般市民の権利義務と関わらないので、司法審査の対象外
「専攻科修了認定」は一般市民の権利義務と関わるので、司法審査の対象

これに対してXらが上告したのが、今回の事件です。なお、以下の最高裁判決の解説は、「単位認定」に関するものです(最判昭和52年3月15日 民集 第31巻2号234頁)。

※「専攻科修了認定」については、後述します。

「特別権力関係」とは?

特別権力関係とは?
「本人の同意等に基づき、一般の統治と異なる特別の関係に入った場合は、一般の国民の場合よりも基本的人権が制限されるのはやむを得ないとする考え方」です。

例えば、国家公務員になった者が、政治活動の自由が制限されたり、労働基本権が制限されることを容認するための理論として持ち出されていました。

富山大学単位不認定事件の、第一審・第二審でも、国立大学の学生であるXらに、「特別権力関係論」を適用して単位認定は、司法審査の対象外としたわけです。

富山大学単位不認定事件の最高裁の考え方

第一審・第二審が「特別権力関係論」を用いたのに対して、最高裁は「部分社会の法理」を用いたのがこの判決の大きな特徴です

「部分社会の法理」を用いたことにより、国立だけでなく私立を含む大学全体に適用できる判断基準を示したものであると評価されました。

過去の最高裁判例から引用した「部分社会の法理」

最高裁は「部分社会の法理」を適用するにあたり、「地方議会の議員に対してなされた3日間の出席停止の懲罰決議の違法性について争われた事件(最大判昭和35年10月19日)」の最高裁判決を引用して、次のように述べています。

過去最高裁判決からの引用
・法律上の係争には、事柄の特質上、裁判所の司法審査の対象外となるものもある。
・例えば、自律的な法規範を有する特殊な部分社会における法律上の係争は、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的、自律的な解決に委ねるのを適当とし、裁判所の司法審査の対象にならない。

その上で、今回の事件について、次のような判断基準を示しました。

今回の事件について
・大学は、国公立であると私立であるとを問わず、学則等を規定し、実施することのできる自律的、包括的な権能を有し、一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成している。
・特殊な部分社会である、大学における法律上の係争のすべてが、当然に裁判所の司法審査の対象になるわけではない。
・「一般市民法秩序」と直接の関係を有しない、内部的な問題は司法審査の対象にならない。

今回の事件は、国立大学の事案ですが、「国公立であると私立であるとを問わず」大学は、特殊な部分社会を形成していると述べた点が注目されます。

大学の単位認定について

最高裁は、大学の単位認定が「一般市民法秩序」と、直接の関係があるか?について次のように述べています。

大学の単位認定が「一般市民法秩序」と直接関係があるかついて
・単位の授与(認定)は、学生が当該授業科目を履修し、試験に合格したことを確認する教育上の措置であり、卒業の要件をなすものではあるが、当然に「一般市民法秩序」と直接の関係を有するものでない。
・純然たる大学内部の問題として、大学の自主的・自律的な判断に委ねられるべきで、裁判所の司法審査の対象にならない。

つまり、大学の単位認定は、司法審査の対象にならないとの判断を下しました。

富山大学単位不認定事件の最高裁の結論

最高裁は「単位認定」は、一般市民の権利義務と関わりがないので、司法審査の対象外であるとして、Xらの上告を棄却しました。

高裁と同じ結論になったわけですが、「特別権力関係」を持ち出した高裁とは異なり、「部分社会論」に基づく判断である点を押さえておきましょう。

専攻科修了認定について

「専攻科修了認定」については、同じ日に別の最高裁判決が下されています。ここからは、「専攻科修了認定」についての最高裁判決(最判昭和52年3月15日 民集 第31巻2号280頁)を確認しておきましょう。

最高裁は、国公立の大学は、「公の施設」であり、一般市民の利用に供されるべきものだと認定しました。

学生は、一般市民として公の施設である国公立の大学を利用する権利があり、公の施設を利用する権利が侵害されている場合は、司法審査の対象になるとしています。

そして、国公立の大学を利用する権利というのは、単に大学に入学することに留まらず、「大学所定の教育課程に従いこれを履修し専攻科を修了すること」を含むと判断しています。

そのため、学生が専攻科修了の要件を充足したにもかかわらず大学が専攻科修了の認定をしないことは、「一般市民としての学生の国公立大学の利用を拒否すること」に等しいとしています。

以上の理論からして、国公立の大学の「専攻科修了認定」は、司法審査の対象になると判断しています。さらに、国公立の大学が「専攻科修了認定」を行うことは、行政事件訴訟法3条にいう「処分」に当たると判断しました。

この記事のまとめ

本記事では、司法権の限界に関して、「部分社会の法理」に基づく最高裁の判断を解説しました。

司法権の限界と部分社会の法理

司法権は憲法76条に基づいて裁判所に属しますが、大学の単位認定のように、内部的な自治的事項については、裁判所が判断を下す対象から除外されるケースがあります。これを支える理論が「部分社会の法理」です。

富山大学単位不認定事件の概要と最高裁の判断

最高裁は、大学の単位認定は「部分社会の法理」に基づき、大学の自治に委ねられるべきと判断しました。一方、専攻科修了認定については「公の施設の利用に関する権利」として、司法審査の対象となると判断しました。

試験対策のポイント

この判例では、「単位認定は司法審査の対象外」「専攻科修了認定は司法審査の対象」 という結論が示されています。司法試験の論述や択一式試験で問われる可能性が高いため、結論の異なる理由をしっかり理解しておくことが重要です。

本判例は、司法権の限界を考える上で、必須の知識と言えます。特に、部分社会の法理の考え方は、大学の自治に関する問題に限らず、議会の自律性や学校の内部規律の問題にも応用されるため、幅広い場面で役立つ知識です。

この記事を読んだ方にお勧めの記事はこちら

\アガルートの三種の神器/

スクロールできます
総合講義重要問題習得講座論証集の使い方講座
インプット講座の最高傑作
司法試験の論文式試験に必要な知識が凝縮された質の高いテキストを使った業界最高峰の講義です。
「もう論文式試験は怖くない」これだけやりきれば、そう思える講座というコンセプトで作られた演習講座アガルートの講座の中で、最もコスパのよい講座です。隙間時間の聞き流しが最適。論点のハンドブックとしても使える。
講座レビュー講座レビュー講座レビュー
詳細はこちら詳細はこちら詳細はこちら
セール情報セール情報セール情報
アガルートの三種の神器

司法試験対策をもっと詳しく知りたい方へ!!

司法試験の論文式試験対策についてもっと詳しく知りたい方は、「論文で半分ちょい」が合格のカギ!司法試験の合格ストラテジー【初学者向け】もぜひチェックしてみてください。

この記事では、司法試験の論文式試験で「半分ちょい」の得点を目指すことが合格へのカギである理由や、効果的な勉強法について詳しく解説しています。特に、初学者でも理解しやすいように工夫されていますので、これから司法試験を目指す方には必見です。

この記事の内容はこんな方におすすめ!

  • 司法試験の論文式試験と短答式試験の配点のバランスを知りたい
  • 論文式試験で効率よく得点するための勉強法を探している
  • 初学者におすすめの参考書や予備校の選び方を知りたい
  • 「予備試験ルート」と「ロースクールルート」の違いが分からない
  • 過去問や再現答案の効果的な活用方法を知りたい

この記事で分かること

  • 司法試験の論文式試験で狙うべき得点の目安
  • 短答式試験の対策は「合格点を確実に取る」ことがポイント
  • おすすめの判例集や演習書、予備校講座の紹介
  • 予備試験ルートとロースクールルートのメリットとデメリット
  • 効率よく学習を進めるための勉強法とスケジュール

詳しくは以下の記事をご覧ください!司法試験合格への道がぐっと近づくはずです。

▽詳しくはこちら▽

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

\資格試験を目指す皆様へ/

資格スクエアなら、無料で講義を視聴したり、各講座の資料を無料請求したりできます!試験対策の第一歩として、ぜひ活用してみませんか?さらに、一部の講義については無料の受講相談も可能!あなたにぴったりの学習方法を見つけるチャンスです。
まずは気軽にチェックしてみてください!

司法試験や予備試験を目指す中で、論文式試験の勉強法に悩んでいませんか?

「どのように論点を整理すれば良いのか」
「答案作成の流れが掴めない」

など、多くの受験生が直面する課題を解決するためのヒントがこの記事にあります。記事では、法的三段論法を用いた論文答案の基本的な書き方や、効果的な演習方法を詳しく解説。

さらに、初学者から中上級者まで使える学習のコツや失敗を防ぐポイントも紹介しています。論文対策に不安がある方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください!

\重問で論文式試験は怖くない/

この記事を書いた人

法スタ運営事務局です。司法試験合格者監修の下、法律を勉強されているすべての方向けにコンテンツの制作をしております。

法律書籍専門の口コミサイト「法書ログ」、法科大学院の口コミサイト「#ロースクールはいいぞ」を運営しております。

目次