
【法スタ限定】視覚的に判例を整理できる特製キットをプレゼント!!
※閉じるとこの案内は再表示されません
かもっち・あひるっぺからの挨拶
はじめまして、かもっち@hosyocomです。
皆さん、法律の勉強、お疲れ様です!!
法スタは、法律を学ぶすべての人に向けた法律の勉強法専門メディアです。
私は、司法試験受験生のあひるっぺ!
司法試験予備試験、法科大学院入試、法律書籍や人気予備校のレビュー。
必要なノウハウや勉強の進め方を、初心者にもわかりやすく解説しています。
姉妹サイトとして「法律書籍の口コミサイト」や「法科大学院の口コミサイト」も運営しています。
私たちは、合計370件以上の豊富なコンテンツを揃え、皆さんの法律学習を全力でサポートします。
知りたい情報が必ず見つかるはず!ぜひ一緒に学びましょう!
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!
(挨拶おわり)
刑法における「因果関係」は、実行行為と結果をつなぐ重要な要件です。
しかし、「行為者以外の第三者の介在」や「被害者自身の不適切な行動」が結果に影響した場合、それでもなお「因果関係」を肯定できるのでしょうか?
「最高裁平成4年12月17日決定」はこの問題に正面から向き合った重要判例です。
スキューバダイビングの講習中に、受講生が溺死した事故において「講習を担当していた指導者の過失」と「被害者死亡」との間に「因果関係」が認められるのか?が争点となりました。
この決定は「行為に含まれていた危険が現実化した」と評価することで「因果関係」を肯定し、業務上過失致死罪の成立を認めています。
本記事では、本判例の意義を丁寧に解説しつつ、「介在事情」の処理を、司法試験論文でどう論じるかを明らかにしていきます。
やあ、法律を学ぶみんな!
今、アガルートでは超お得なキャンペーンが同時開催中だよ!
そうなのそうなの〜!
受験生応援セール(5%OFF)と、会員数20万人突破記念キャンペーン(5%OFF)が一緒に使えるんだよ〜✨
つまり、併用で最大10%OFF!
対象講座を選んで、クーポンコード【AGAROOT20】を入力するだけ!
あたらしい勉強、はじめるチャンスかもしれないよねぇ〜🌱
お得な今、合格への一歩をふみ出してみてほしいかもっ!
📣 【今だけ!アガルートW割キャンペーン実施中】
司法試験・予備試験・ロースクール入試を目指すあなたに朗報!
現在アガルートでは、受験生応援セール(5%OFF)と会員数20万人突破記念キャンペーン(5%OFF)のWキャンペーンを開催中です。
💡 両方併用で、なんと最大10%OFF!
\ このタイミングを逃す手はありません /
合格への第一歩を、今、お得に踏み出しましょう。
「実行行為」と「結果」との間に「因果関係」があるのかが問題となった事案として、最高裁判所第一小法廷平成4年12月17日決定(以下「本判例」と言います)があります。
本判例の事案では、「スキューバダイビングの夜間潜水の講習指導中に受講生が溺死した事故において、その講習指導者であった本件被告人に業務上過失致死罪が成立するか?」が問題となりました。
本判例によると、事案の具体的な内容は以下のとおりです。
被告人の情報
「スキューバダイビングの資格認定団体から認定を受けた潜水指導者」として、「潜水講習の受講生に対する潜水技術の指導業務」に従事
当日の様子
・被告人は、夜間午後9時頃、海岸近くの海中で、受講生6名(被害者を含む)に「夜間潜水の講習指導」を実施
・海中は、夜間であることや、それまでの降雨のため視界が悪く、海上では風速四メートル前後の風が吹き続けていた
・被告人は、受講生2名ごとに指導補助者1名を配して(指導補助者3名)、各担当の受講生を監視するように指示した上、一団となって潜水を開始
事件発生前の状況
・被告人は、100メートル余り前進した地点で魚を捕えて受講生らに見せた後、再び移動を開始
・被告人は、受講生らがそのまま自分についてくるものと考え、指導補助者らにも特別の指示を与えることなく、後方を確認しないまま前進
・被告人が振り返ると、指導補助者2名しか追従していないことに気づき、移動開始地点に戻った
事件発生時の状況
・その間、他の指導補助者1名と受講生6名は、逃げた魚に気をとられていたため被告人の移動に気付かずにその場に取り残され、海中のうねりのような流れによって沖に流された
・取り残された指導補助者が被告人を探し求めて沖に向かって水中移動を行い、受講生らもこれに従った
→そのため、被告人は、受講生らを発見できなかった
・取り残された指導補助者は、受講生らと共に沖へ数10メートル水中移動を行い、被害者の圧縮空気タンク内の空気残圧量が少なくなっていることを確認して、いったん海上に浮上
・取り残された指導補助者は、風波のため水面移動が困難であるとして、受講生らに再び水中移動を指示
・これに従った被害者は、水中移動中に空気を使い果たして恐慌状態に陥り、自ら適切な措置を採ることができないままに、溺死するに至った
この事案について、原審は被告人に「業務上過失致死罪の成立」を認めました。これに対して弁護側が上告したのが、本判例です。
本判例で問題となっている争点は、以下の点です。
≪問題となった争点≫
「実行行為」と「結果」との間に「因果関係」が認められるのか?
犯罪が成立するためには、行為が「構成要件」に該当している必要があります。
「構成要件に該当する行為」と言うためには
・「実行行為」と「結果」が存在し
・その「実行行為」と「結果」との間に「因果関係」がなければなりません
「因果関係」が認められるには、「あれなければこれなし」という関係(条件関係)が必要です。
「因果関係」が認められるためには「条件関係」があれば足りるとする説を「条件説」と言います。しかし、「条件説」によると、結果が極めて異常な経過をたどって発生した場合でも「因果関係」が認められることになりかねず、妥当ではありません。
そこで、従来の通説は、「因果関係」があると言うためには、「条件関係」があることに加えて、以下が必要であるとしています。
・当該実行行為から当該結果が発生することが一般的にあり得ること
・その関係が異常・不相当なものではないこと
これを「相当因果関係説」と言います。
そして、現在の判例は「危険の現実化説」を採用していると考えられています。
「危険の現実化説」に関しては、以下の記事に記載しております。記事の最後にもリンクを付けているので、気になる方は、学習や復習がてら読んでみてください。
本件では、「指導補助者の指導」や「被害者自身の行動」に不適切さがあったことが、直接的な「被害者死亡の原因」となっています。
そのため「被告人以外の第三者や被害者自身の不適切な行為」が介在して結果が発生している場合でも、「因果関係」が認められるのか?という点が問題となっています。
本判例は、「被告人の行為」と「被害者の溺死という結果」との間の「因果関係」を肯定して、被告人に業務上過失致死罪の成立を認めた原審を支持し、弁護側の上告を棄却しました。
以下、本判例における「因果関係」の判断について解説します。
本判例は、被害者および被害者ら受講生とともに行動していた「指導補助者」について以下の認定を採用しています。
上記認定によると、受講生らは初心者であり、その中でも特に被害者は特に経験が乏しく、指導者からの適切な指示や誘導がなければ、漫然と空気を多く消費してしまい、空気残圧がなくなった際に単独では適切な措置をとれないおそれがありました。
また、受講生らに付いていた指導補助者らも、経験が浅かった上に、被告人からは、一般的な注意を受けていただけで、具体的な指示は与えられていませんでした。
そのため、受講生らは、空気残圧がなくなった際に単独では適切な措置をとれないおそれがあったにもかかわらず、経験の浅い指導補助者だけでは、適切な指示や誘導を受けられない状況にありました。
つまり、被告人自身がそばについていなければ、被害者を含む受講生らは、空気残圧がなくなった際に適切な措置をとれないおそれのある状況にあったということです。
本判例は、まず「被告人の実行行為」を「夜間潜水の講習指導中、受講生らの動向に注意することなく不用意に移動して受講生らのそばから離れ、同人らを見失うに至った行為」としています。
その上で、この「被告人の実行行為」は、「それ自体が、指導者からの適切な指示、誘導がなければ事態に適応した措置を講ずることができないおそれがあった被害者をして、海中で空気を使い果たし、ひいては適切な措置を講ずることもできないままに、でき死させる結果を引き起こしかねない危険性を持つもの」であると評価しています。
前記のとおり「被告人自身がそばについていなければ、被害者を含む受講生らは、空気残圧がなくなった際に適切な措置をとれないおそれのある状況」にありました。
それにもかかわらず、被告人が受講生のそばから離れて見失ったのですから、「それ自体が、被害者をして溺死の結果を引き起こしかねない危険性を持つ行為である」と評価しているのです。
被害者の「溺死という結果発生の危険性を持つ実行行為」から、「被害者の溺死という結果」が発生することは、「実行行為」がそもそも持っていた危険性が現実化したにすぎず、異常なことではありません。
そのため、本判例は、「因果関係」が認められると判断しているのです。
本判例も、受講生とともに行動していた「指導補助者の指示が適切でなく」、また被害者自身も恐慌状態に陥って「適切な措置をとらなかった」という不適切な行動があったことを認めています。
もっとも「被告人を見失った後の指導補助者及び被害者に適切を欠く行動があったことは否定できないが、それは被告人の右行為から誘発されたものであって、被告人の行為と被害者の死亡との間の因果関係を肯定するに妨げないというべきである。」と判示しています。
つまり「指導補助者および被害者」の「不適切な行為」は「因果関係」を肯定する判断に、影響を及ぼさないと判断しているのです。
その根拠として、「被害者らの不適切な行為」は「被告人の実行行為」から「誘発」されたものであることを挙げています。
本判例は、「被害者らが不適切な行為を引き起こす危険」も、被告人の実行行為が持つ危険性の中に取り込んで判断していると考えることができます。
具体的に言うと…
「被告人の実行行為」に「被害者らの不適切な行為」を生じさせる危険性があり、それによって「被害者らの不適切な行為」が行われた場合には、
「実行行為」が持つ危険性が現実化したにすぎないので、「因果関係」を肯定する妨げにはならないと考えることができるということです。
以上のとおり、本判例は、被告人の行為と被害者死亡の結果との間の因果関係を肯定して、被告人に業務上過失致死罪が成立することを認めました。
今回、記事で出てきた「危険の現実化説」に関しては以下の記事で解説しておりますので、こちらを是非ご覧ください。
参考文献
刑法判例百選Ⅰ(第7版)26ページ
司法試験は情報戦だ!!
司法試験の論文式試験対策についてもっと詳しく知りたい方は、「論文で半分ちょい」が合格のカギ!司法試験の合格ストラテジー【初学者向け】もぜひチェックしてみてください。
この記事では、司法試験の論文式試験で「目指すべき得点」や、効果的な勉強法について詳しく解説しています。特に、初学者でも理解しやすいように工夫されていますので、これから司法試験を目指す方には必見です。
この記事の内容はこんな方におすすめ!
この記事で分かること
論文でなぜ「半分ちょい」の得点を目指すのか?
詳しくは以下の記事をご覧ください!司法試験合格への道がぐっと近づくはずです。
▼司法試験受験生なら必読▼
この記事が気に入ったら
フォローしてね!
判例学習を“見える化”しよう!
事案図解で理解と記憶に革命を。
複雑な判例も、図で整理すれば驚くほどスッキリ頭に入る。
「判例事案図解キット」は、登場人物・組織を示す「人・組織アイコン」と、事案の流れを補足する「その他アイコン」がセットになった、スライド形式の図解ツールです。
これらのアイコンを組み合わせて配置するだけで、判例の構造を視覚的に整理・再現することが可能。
もちろん、手書きの整理も有効ですが、スライドとして一度しっかり図解しておけば、後から見返したときの理解度と復習効率が段違いです。
とくに「これは絶対に押さえておきたい!」という重要判例については、このキットを活用して、自分だけのオリジナル事案図を作ってみてください。
「視覚で学ぶ」という新しい判例学習のかたち、ぜひ体験してみてください。
▼法スタ公式LINE登録で限定配布中▼
法スタ運営事務局です。司法試験合格者監修の下、法律を勉強されているすべての方向けにコンテンツの制作をしております。
法律書籍専門の口コミサイト「法書ログ」、法科大学院の口コミサイト「#ロースクールはいいぞ」を運営しております。
勉強を効率化する第一歩は、正しい本選び。
法スタで学んだ知識をさらに深めたい方は、法律書籍専門の口コミサイト・法書ログ へ!
実際に学習者や実務家が投稿した 400件以上の口コミが読み放題 だから、本当に役立つ一冊を見極められます。
迷いや不安を解消し、あなたの勉強を支える書籍が、きっと見つかります。