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(挨拶おわり)
恐喝罪(刑法249条)は、暴行・脅迫を用いて相手に財産的損失を与えた場合に成立しますが、債権者が正当な権利を回収するために恐喝的手段を用いた場合にも、果たして恐喝罪は成立するのでしょうか?
最高裁昭和30年10月14日判決は、この問題に正面から向き合った判例として知られています。被告人は債権回収の一環として被害者から金員を受け取ったものの、その手段が「社会通念上忍容すべき程度を逸脱していた」と評価され、正当な債権額を超える全額について恐喝罪の成立が認められました。
本記事では、本判例の事案と判断をもとに、恐喝罪の成否における「権利行使の限界」および「占有説と保護法益の整理」を踏まえて、司法試験、予備試験の論文試験でどのように論じるべきかを解説します。
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他人に対して権利を有する者が、権利を行使するに際して恐喝手段を用いた場合に恐喝罪が成立するのかという問題について判断した判例として、最高裁判所第二小法廷昭和30年10月14日判決(以下「本判例」と言います。)があります。
本件被告人Aは、被害者に対して3万円の債権を有していましたが、被害者がこれを支払わないため、知人の被告人B、その知人の被告人Cおよび被告人Dらに取立てを依頼しました。
被告人Aら4名は、共謀の上、被害者から3万円を回収し、さらに金員を脅し取ろうと企て、被害者に対し、もし要求に応じない場合には身体に危害を加えるような態度を示し、「俺たちの顔を立てろ」などと申し向けました。
被害者は、要求に応じなかった場合、身体に危害を加えられるかもしれないと畏怖し、上記の3万円を含む6万円をAに交付しました。
この事案において、原審は、被告人らについて6万円全額につき恐喝罪の成立を認めました。
この原審の判断に対して、4名のうちA、B、Cの3名の弁護人が上告したのが、本判例です。
本判例で問題となった争点は、他人に対して権利を有する者が、権利を行使するに際して恐喝手段を用いた場合に恐喝罪が成立するのかという点および恐喝罪の成立する範囲です。
本判例で問題となっている権利行使と恐喝の成否の問題は、恐喝罪を含む財産犯の保護法益論と関連性があると言われています。そこで、まず前提として、財産犯の保護法益について説明します。
財産犯の保護法益については、本権説と占有説の対立があります。
本権説は、所有権その他本権を財産法の保護法益とする説です。
刑法242条は、「自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす」と規定しています。この242条の規定は、恐喝罪にも準用されます(刑法251条)。
本権説は、この刑法242条における他人の「占有」を権原に基づく占有または民法上保護された占有に限定します。
占有説は、占有それ自体を保護法益とする説です。
占有説からは、刑法242条における他人の「占有」を単なる占有も含むものと考えることになります。
中間説は、単なる占有ではなく、占有を限定し、平穏な占有や合理的理由のある占有を保護法益とする説です。
中間説からは、刑法242条における他人の「占有」を平穏な占有や合理的理由のある占有に限定すると考えることになります。
判例は、占有説を採用しています。
そのため、判例によると、占有侵害があれば財産犯の構成要件該当性を肯定することになり、権利行使の側面は違法性阻却事由において考慮することになります。
本件被告人Aは、被害者に対して3万円の債権を有しています。したがって、被告人Aが、被害者から3万円を取り立てることは、法律上正当な権利行使であるはずです。
問題は、その権利行使方法が暴行または脅迫による恐喝的行為であった場合に、恐喝罪が成立するのかという点です。
この権利行使と恐喝罪の成否に関しては、肯定説と否定説があります。
肯定説は、権利行使であっても、公序良俗に違反する方法をもってなされることは法律上許されるべきではないので、恐喝手段それ自体が公序良俗に違反する程度である場合には、権利行使であっても恐喝罪が成立すると考えます。
肯定説によると、財物の交付がある以上、恐喝罪の構成要件である財産上の損害はあると理解することになります。
そして、権利行使が権利の範囲内であること、実力行使の必要性があること、手段が社会通念上相当であることという要件が満たされる場合にのみ、違法性が阻却されると考えることになります。
財産犯の保護法益論における占有説は、占有権そのものを保護法益とし、刑法242条における他人の占有を単なる占有を含むものとします。
この占有説からは、他人が占有している状態を侵害しているため、法的侵害が生じることになるので、恐喝罪が認められるとする肯定説が導かれることになります。
否定説は、権利を有する以上、債務者には実質的な法益侵害は発生しないのであるから、恐喝的手段を用いても恐喝罪は成立しないと考えます。
否定説では、権利行使の手段が、社会通念上、権利行使として許される範囲を超える場合でも、恐喝罪は成立せず、暴行罪または脅迫罪が成立するだけであると考えることになります。
また、この暴行罪または脅迫罪は、必要性・相当性を要件として違法性阻却が可能であるとされます。
財産犯の保護法益論における本権説は、所有権その他本権を保護法益とし、刑法242条における他人の占有を民法上保護された占有とします。
この本権説からは、民事上の権利に基づく権利行使である以上、恐喝罪の法益侵害がないと考えることになるので、恐喝罪は成立しないとする否定説が導かれることになります。
本判例では、被告人らが被害者から回収した6万円のうち、3万円は被告人Aに正当な権利がありましたが、残り3万円については権利に基づかないものです。
そこで、恐喝罪が成立するとして、その範囲は、権利に基づかない部分だけなのか、それとも全体について成立するのかが問題となります。
この点、まず、権利に基づかない部分については、当然ですが、どのような説を採用するとしても、恐喝罪が成立することは争いないでしょう。問題は、権利に基づいている部分です。
本権説・恐喝罪否定説の立場からすると、権利に基づく部分については、恐喝罪は成立せず、暴行または脅迫罪が成立するにとどまることになります。
他方、占有説・恐喝罪肯定説の立場からは、権利に基づく部分についても恐喝罪の構成要件に該当することになり、違法性阻却されない限り、恐喝罪が成立することになります。
本判例は、被告人らに6万円全体について恐喝罪が成立するとした原審の判断を支持し、弁護人らの主張を退けて、上告を棄却しました。
本判例は、恐喝罪の成否について、以下の規範を定立しています。
「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍溶すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする。」
上記のとおり、本判例は、他人に対して権利を有する場合でも、その権利行使の方法が社会通念上一般に受忍すべきものと認められる程度を超えるときには恐喝罪が成立することがあるとして、占有説・恐喝罪肯定説の立場を採用しています。
本判例は、以下のとおり判示して、被告人らに恐喝罪の成立を認めました。
「本件において、被告人等が所論債権取立のために執った手段は、原判決の確定するところによれば、若し債務者(被害者)において被告人等の要求に応じないときは、同人の身体に危害を加えるような態度を示し、且同人に対し被告人A及び同B等は「俺達の顔を立てろ」等と申向け被害者をして若しその要求に応じない時は自己の身体に危害を加えられるかも知れないと畏怖せしめたというのであるから、もとより、権利行使の手段として社会通念上、一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した手段であることは論なく、従って、原判決が右の手段により被害者をして金6万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人Aの被害者に対する債権額のいかんにかかわらず、右金6万円の全額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当であって、所論を採用することはできない。」
本判例は、被告人らの行為を認定した上で、その行為を「権利行使の手段として社会通念上、一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した手段である」と評価し、これを前記の規範に当てはめて、債権額にかかわらず、全額について恐喝罪が成立すると結論付けました。
本判例は、占有説・恐喝罪肯定説の立場から、被告人Aが権利を有している3万円の部分を含めて、恐喝手段によって回収した6万円全額について恐喝罪が成立するとしたのです。
以上のとおり、本判例は、被告人らについて、被害者から回収した6万円全額について恐喝罪が成立することを認めました。
参考文献
刑法判例百選Ⅱ(第7版)122ページ
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