 
  【法スタ限定】視覚的に判例を整理できる特製キットをプレゼント!!
※閉じるとこの案内は再表示されません

かもっち・あひるっぺからの挨拶
 かもっち
かもっちはじめまして、かもっち@hosyocomです。
皆さん、法律の勉強、お疲れ様です!!
法スタは、法律を学ぶすべての人に向けた法律の勉強法専門メディアです。



私は、司法試験受験生のあひるっぺ!
司法試験予備試験、法科大学院入試、法律書籍や人気予備校のレビュー。
必要なノウハウや勉強の進め方を、初心者にもわかりやすく解説しています。



姉妹サイトとして「法律書籍の口コミサイト」や「法科大学院の口コミサイト」も運営しています。



私たちは、合計370件以上の豊富なコンテンツを揃え、皆さんの法律学習を全力でサポートします。
知りたい情報が必ず見つかるはず!ぜひ一緒に学びましょう!
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!
(挨拶おわり)
恐喝罪(刑法249条)は、暴行・脅迫を用いて相手に財産的損失を与えた場合に成立しますが、債権者が正当な権利を回収するために恐喝的手段を用いた場合にも、果たして恐喝罪は成立するのでしょうか?
最高裁昭和30年10月14日判決は、この問題に正面から向き合った判例として知られています。
被告人は債権回収の一環として被害者から金員を受け取ったものの、その手段が「社会通念上忍容すべき程度を逸脱していた」と評価され、正当な債権額を超える全額について恐喝罪の成立が認められました。
本記事では、本判例の事案と判断をもとに、恐喝罪の成否における「権利行使の限界」および「占有説と保護法益の整理」を踏まえて、司法試験、予備試験の論文試験でどのように論じるべきかを解説します。



やあ、法律を学ぶみんな!
今、アガルートでは超お得なキャンペーンが同時開催中だよ!



そうなのそうなの〜!
受験生応援セール(5%OFF)と、会員数20万人突破記念キャンペーン(5%OFF)が一緒に使えるんだよ〜✨



つまり、併用で最大10%OFF!
対象講座を選んで、クーポンコード【AGAROOT20】を入力するだけ!



あたらしい勉強、はじめるチャンスかもしれないよねぇ〜🌱
お得な今、合格への一歩をふみ出してみてほしいかもっ!
📣 【今だけ!アガルートW割キャンペーン実施中】
司法試験・予備試験・ロースクール入試を目指すあなたに朗報!
現在アガルートでは、受験生応援セール(5%OFF)と会員数20万人突破記念キャンペーン(5%OFF)のWキャンペーンを開催中です。
💡 両方併用で、なんと最大10%OFF!
\ このタイミングを逃す手はありません /
合格への第一歩を、今、お得に踏み出しましょう。
他人に対して権利を有する者が、権利を行使するに際して恐喝手段を用いた場合に「恐喝罪が成立するのか?」という問題について判断した判例として、「最高裁判所第二小法廷昭和30年10月14日判決(以下「本判例」と言います。)」があります。
本件被告人Aは、被害者に対して3万円の債権を有していましたが、被害者がこれを支払わないため、知人の被告人B、その知人の被告人Cおよび被告人Dらに取立てを依頼しました。
被告人Aら4名は、共謀の上、被害者から3万円を回収し、さらに金員を脅し取ろうと企て、被害者に対し、もし要求に応じない場合には身体に危害を加えるような態度を示し、「俺たちの顔を立てろ」などと申し向けました。
被害者は、要求に応じなかった場合、身体に危害を加えられるかもしれないと畏怖し、上記の3万円を含む6万円をAに交付しました。
この事案において、原審は、被告人らについて6万円全額につき「恐喝罪」の成立を認めました。
この原審の判断に対して、4名のうちA、B、Cの3名の弁護人が上告したのが、本判例です。
≪本判例で問題となった争点≫
・他人に対して権利を有する者が、権利を行使する際、恐喝手段を用いた場合に「恐喝罪」が成立するのか?
・「恐喝罪」の成立する範囲
本判例で問題となった争点は、他人に対して権利を有する者が、権利を行使するに際して恐喝手段を用いた場合に「恐喝罪」が成立するのかという点および「恐喝罪」の成立する範囲です。
本判例で問題となっている「権利行使」と「恐喝の成否」の問題は、「恐喝罪」を含む「財産犯の保護法益論」と関連性があると言われています。そこで、まず前提として、「財産犯の保護法益」について説明します。
「財産犯の保護法益」については、「本権説」と「占有説」の対立があり、「中間説」もあります。
| 学説名 | 保護法益 | 刑法第242条「他人の占有」の解釈 | 
|---|---|---|
| 本権説 | 所有権その他本権(正当な権利) | 権原に基づく占有、民法上保護された占有に限定する | 
| 占有説 | 占有それ自体(事実上の支配状態) | 単なる占有(事実上の支配)も含むと広く解釈する | 
| 中間説 | 限定された占有(平穏な占有や合理的理由のある占有) | 平穏な占有や合理的理由のある占有に限定する | 
「本権説」は、「所有権その他本権を財産法の保護法益」とする説です。
刑法242条は、「自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす」と規定しています。この242条の規定は、恐喝罪にも準用されます(刑法251条)。
刑法 第二百四十二条(他人の占有等に係る自己の財物)
自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
本権説は、この刑法242条における他人の「占有」を権原に基づく「占有」または「民法上保護された占有」に限定します。
「占有説」は、「占有それ自体を保護法益」とする説です。
「占有説」からは、刑法242条における「他人の占有」を「単なる占有」も含むものと考えることになります。
「中間説」は、単なる占有ではなく、「占有を限定し、平穏な占有や合理的理由のある占有」を「保護法益」とする説です。
「中間説」からは、刑法242条における「他人の占有」を、「平穏な占有」や「合理的理由のある占有」に限定すると考えることになります。
判例は、「占有説」を採用しています。
そのため、判例によると、「占有侵害」があれば「財産犯の構成要件該当性」を肯定することになり、「権利行使の側面」は「違法性阻却事由」において考慮することになります。
本件被告人Aは、被害者に対して3万円の債権を有しています。したがって、被告人Aが、被害者から3万円を取り立てることは、法律上正当な権利行使であるはずです。
問題は、「その権利行使方法が暴行または脅迫による恐喝的行為であった場合に、恐喝罪が成立するのか?」という点です。
この「権利行使」と「恐喝罪の成否」に関しては、「肯定説」と「否定説」があります。
簡単に、まとめると以下のような内容です。次で詳しく説明していきます。
| 学説 | 恐喝罪の結論 | 根拠となる保護法益論 | 主な主張の要点 | 
| 肯定説 | 成立する | 占有説(占有それ自体が法益) | 権利行使でも、手段が公序良俗に反すれば、占有侵害により恐喝罪の法益侵害あり。 | 
| 否定説 | 成立しない | 本権説(本権が法益) | 正当な権利に基づく行使は、実質的な法益侵害がないため、恐喝罪は成立せず、暴行・脅迫罪に留まる。 | 
「肯定説」は、「権利行使であっても、公序良俗に違反する方法をもってなされることは法律上許されるべきではないので、恐喝手段それ自体が公序良俗に違反する程度である場合には、権利行使であっても恐喝罪が成立する」と考えます。
「肯定説」によると、財物の交付がある以上、恐喝罪の構成要件である財産上の損害はあると理解することになります。
そして、権利行使が権利の範囲内であること、実力行使の必要性があること、手段が社会通念上相当であることという要件が満たされる場合にのみ、違法性が阻却されると考えることになります。
財産犯の「保護法益論における占有説」は、占有権そのものを保護法益とし、刑法242条における「他人の占有」を「単なる占有」を含むものとします。
この「占有説」からは、他人が占有している状態を侵害しているため、法的侵害が生じることになるので、恐喝罪が認められるとする肯定説が導かれることになります。
「否定説」は、「権利を有する以上、債務者には実質的な法益侵害は発生しないのであるから、恐喝的手段を用いても恐喝罪は成立しない」と考えます。
「否定説」では、「権利行使の手段が、社会通念上、権利行使として許される範囲を超える場合でも、恐喝罪は成立せず、暴行罪または脅迫罪が成立するだけである」と考えることになります。
また、この暴行罪または脅迫罪は、必要性・相当性を要件として違法性阻却が可能であるとされます。
財産犯の「保護法益論における本権説」は、所有権その他本権を保護法益とし、刑法242条における「他人の占有」を「民法上保護された占有」とします。
この「本権説」からは、民事上の権利に基づく権利行使である以上、恐喝罪の法益侵害がないと考えることになるので、恐喝罪は成立しないとする否定説が導かれることになります。
本判例では、被告人らが被害者から回収した6万円のうち、3万円は被告人Aに正当な権利がありましたが、残り3万円については権利に基づかないものです。
そこで、「恐喝罪」が成立するとして、その範囲は「権利に基づかない部分だけなのか?」それとも「全体について成立するのか?」が問題となります。
この点、まず、権利に基づかない部分については、当然ですが、どのような説を採用するとしても、「恐喝罪」が成立することは争いないでしょう。問題は、権利に基づいている部分です。
「本権説・恐喝罪否定説」の立場からすると、権利に基づく部分については、「恐喝罪」は成立せず、「暴行または脅迫罪」が成立するにとどまることになります。
他方、「占有説・恐喝罪肯定説」の立場からは、権利に基づく部分についても「恐喝罪」の構成要件に該当することになり、「違法性阻却されない限り、恐喝罪が成立」することになります。



「最高裁昭和30年10月14日判決」ではどのように判断されたのでしょうか?
本判例は、被告人らに6万円全体について「恐喝罪」が成立するとした原審の判断を支持し、弁護人らの主張を退けて、上告を棄却しました。
本判例は、「恐喝罪」の成否について、以下の規範を定立しています。
「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍溶すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする。」
上記のとおり、本判例は、他人に対して権利を有する場合でも、その権利行使の方法が社会通念上一般に受忍すべきものと認められる程度を超えるときには「恐喝罪」が成立することがあるとして、「占有説・恐喝罪肯定説」の立場を採用しています。
本判例は、以下のとおり判示して、被告人らに「恐喝罪」の成立を認めました。
「本件において、被告人等が所論債権取立のために執った手段は、原判決の確定するところによれば、若し債務者(被害者)において被告人等の要求に応じないときは、同人の身体に危害を加えるような態度を示し、且同人に対し被告人A及び同B等は「俺達の顔を立てろ」等と申向け被害者をして若しその要求に応じない時は自己の身体に危害を加えられるかも知れないと畏怖せしめたというのであるから、
もとより、権利行使の手段として社会通念上、一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した手段であることは論なく、
従って、原判決が右の手段により被害者をして金6万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人Aの被害者に対する債権額のいかんにかかわらず、右金6万円の全額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当であって、所論を採用することはできない。」
本判例は、被告人らの行為を認定した上で、その行為を「権利行使の手段として社会通念上、一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した手段である」と評価し、これを前記の規範に当てはめて、債権額にかかわらず、全額について「恐喝罪」が成立すると結論付けました。
本判例は、「占有説・恐喝罪肯定説」の立場から、被告人Aが権利を有している3万円の部分を含めて、恐喝手段によって回収した6万円全額について「恐喝罪」が成立するとしたのです。
以上のとおり、本判例は、被告人らについて、被害者から回収した6万円全額について「恐喝罪」が成立することを認めました。
参考文献
刑法判例百選Ⅱ(第7版)122ページ
司法試験は情報戦だ!!
司法試験の論文式試験対策についてもっと詳しく知りたい方は、「論文で半分ちょい」が合格のカギ!司法試験の合格ストラテジー【初学者向け】もぜひチェックしてみてください。
この記事では、司法試験の論文式試験で「目指すべき得点」や、効果的な勉強法について詳しく解説しています。特に、初学者でも理解しやすいように工夫されていますので、これから司法試験を目指す方には必見です。
この記事の内容はこんな方におすすめ!
この記事で分かること
論文でなぜ「半分ちょい」の得点を目指すのか?
詳しくは以下の記事をご覧ください!司法試験合格への道がぐっと近づくはずです。
▼司法試験受験生なら必読▼


			この記事が気に入ったら
 フォローしてね!		
判例学習を“見える化”しよう!
事案図解で理解と記憶に革命を。
複雑な判例も、図で整理すれば驚くほどスッキリ頭に入る。
「判例事案図解キット」は、登場人物・組織を示す「人・組織アイコン」と、事案の流れを補足する「その他アイコン」がセットになった、スライド形式の図解ツールです。


これらのアイコンを組み合わせて配置するだけで、判例の構造を視覚的に整理・再現することが可能。
もちろん、手書きの整理も有効ですが、スライドとして一度しっかり図解しておけば、後から見返したときの理解度と復習効率が段違いです。
とくに「これは絶対に押さえておきたい!」という重要判例については、このキットを活用して、自分だけのオリジナル事案図を作ってみてください。
「視覚で学ぶ」という新しい判例学習のかたち、ぜひ体験してみてください。
▼法スタ公式LINE登録で限定配布中▼
					法スタ運営事務局です。司法試験合格者監修の下、法律を勉強されているすべての方向けにコンテンツの制作をしております。
法律書籍専門の口コミサイト「法書ログ」、法科大学院の口コミサイト「#ロースクールはいいぞ」を運営しております。				
















勉強を効率化する第一歩は、正しい本選び。
法スタで学んだ知識をさらに深めたい方は、法律書籍専門の口コミサイト・法書ログ へ!
実際に学習者や実務家が投稿した 400件以上の口コミが読み放題 だから、本当に役立つ一冊を見極められます。
迷いや不安を解消し、あなたの勉強を支える書籍が、きっと見つかります。

