これから司法試験の勉強を始めようと考えている皆さんにとって、試験科目と並んで気になるのが、「いつ」「どのように」試験が行われるのか、つまり試験日程に関する情報ではないでしょうか。
事前にスケジュール感を把握しておくことは、学習計画を立てるうえでも、万全の体勢で試験に臨むうえでも、非常に重要です。
この記事では、司法試験の試験日程について、これから対策を始める方にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
目次
司法試験の試験日程の全体像
司法試験は「短答式試験」と「論文式試験」の2つで構成されており、例年7月中旬の4日間にわたって実施されます。日程は、水曜日・木曜日・土曜日・日曜日の4日間に分かれているのが通例です。
なお、予備試験では「短答式→論文式→口述式」の順に試験が行われますが、司法試験では「論文式→短答式」という順序で実施される点に注意が必要です。
また、2023年からは法科大学院在学中でも司法試験の受験が可能となったことに伴い、従来の5月実施から約2か月後倒しとなり、7月実施に変更されています。
▼司法試験の試験科目は?▼
法スタ
司法試験の試験科目とは? 初心者向け徹底解説 | 法スタ
これから司法試験の勉強を始めようと考えている皆さんへ。司法試験と聞くと、たくさんの法律科目を勉強しなければならない大変な試験というイメージがあるかもしれません。…
令和7年(2025年)司法試験の具体的な日程と時間割
令和7年(2025年)の司法試験は、**7月16日(水)、17日(木)、19日(土)、20日(日)**の4日間で実施される予定です。各日の時間割は以下のとおりです。
● 1日目:7月16日(水)
- 論文式試験:選択科目(3時間)
- 論文式試験:公法系第1問(2時間)
- 論文式試験:公法系第2問(2時間)
● 2日目:7月17日(木)
- 論文式試験:民事系第1問(2時間)
- 論文式試験:民事系第2問(2時間)
- 論文式試験:民事系第3問(2時間)
● 3日目:7月19日(土)
- 論文式試験:刑事系第1問(2時間)
- 論文式試験:刑事系第2問(2時間)
● 4日目:7月20日(日)
- 短答式試験:憲法(50分)
- 短答式試験:民法(75分)
- 短答式試験:刑法(50分)
このように、3日間で論文式試験を受験し、最終日に短答式試験をまとめて実施する構成となっています。
試験は長丁場となるため、体調管理が非常に重要です。多くの試験会場では冷房が効いていますが、寒すぎることもあるため、上着などで温度調整できるように準備しておくと安心です。
願書の提出について
司法試験を受験するには、まず受験願書を入手し、指定された期間内に提出する必要があります。
- 願書の交付・出願期間
願書の交付および受付は、例年試験の数ヶ月前に開始されます。出願期間は15日間と短いため、事前の準備が重要です。
- 出願方法
出願は郵送のみで受け付けられます。法務省へ直接持参しても受理されませんので注意してください。
願書は、交付された専用封筒に入れ、必ず郵便局窓口で「書留」扱いで郵送する必要があります。出願期間最終日の消印が有効とされます。
- 願書記入時の注意点
- 黒インクのボールペン(消えないもの)を使用し、鉛筆やこすると消えるペンは不可です。
- 楷書で丁寧かつ正確に記入しましょう。
- 修正液や修正テープは使用不可。間違えた場合は二重線「=」で訂正し、枠からはみ出してもよいので近くに正しく書き直してください(訂正印不要)。
- 下書きを鉛筆で行い、上からボールペンで清書した後に消す方法も有効です。
- 各項目は左詰めで記入しましょう。
- 氏名・生年月日・本籍地・希望試験地・選択科目など、正確な情報を記入してください。特に希望試験地と選択科目の記入ミスは訂正できないため注意が必要です。
- 6か月以内に撮影した鮮明なカラー写真を添付してください。これは本人確認に使用されます。
- 出願後の変更について
氏名や住所等に変更があった場合は、速やかに司法試験委員会へ変更届を提出する必要があります。
試験地について
司法試験は、例年以下の8都市で実施されます。
札幌市・仙台市・東京都・名古屋市・大阪市・広島市・福岡市・那覇市
具体的な試験会場は、例年4月下旬頃に法務省より発表されます。
▼2025年司法試験の試験地▼
札幌:TKPガーデンシティPREMIUM札幌大通
仙台:TKPガーデンシティPREMIUM仙台西口
東京都:東京都立産業貿易センター浜松町館、TOC
名古屋:プライムセントラルタワー名古屋駅前店
大阪:大阪アカデミア
広島:広島コンベンションホール
福岡:南近代ビル
沖縄:琉球大学
合格発表について
合格発表は法務省のホームページにて行われます。
- 短答式試験の合格発表
氏名や受験番号は公表されず、合格最低点と得点分布のみが掲載されます。
合否を確認するためには、試験当日に問題用紙へ自分の回答をメモしておき、予備校の解答速報などで自己採点を行う必要があります。
後日、受験者全員に「短答式試験成績通知書」が郵送され、そこに合否、得点、成績順位が記載されています。
- 論文式試験の合格発表
合格者の受験番号が法務省のホームページに掲載されます。
合格発表当日には、合格者の氏名を掲載する新聞社もあります。
まとめ
司法試験は例年7月中旬に4日間かけて実施され、論文式試験が先に3日間、その後に短答式試験が1日で行われます。
受験するためには、あらかじめ願書を郵送で提出し、所定の記入ルールに沿って丁寧に記載する必要があります。
試験地は全国主要8都市で行われ、合格発表は短答式と論文式でそれぞれ異なる形式となっています。
司法試験合格を目指すうえで、これらの試験日程や手続きについてあらかじめ把握しておくことは、計画的な学習に直結します。
願書提出などの事務的な手続きを早めに済ませておけば、安心して勉強に集中できる環境が整います。