この記事を読めばわかること・法科大学院生が後悔しないパソコンの選び方
・ロー生がパソコンを選ぶ際に注意すべきスペック
・おすすめのパソコンのスペック
※法書ログライター執筆記事です。
多分これは世界初の記事だと思います。
コンテンツ
はじめに|法科大学院ではパソコンは六法よりも重要!?
「法科大学院 パソコン おすすめ」などで検索してこの記事を読んでいるそこのあなた! これはあなたのための記事です!! 他の人が読んでもあんまり役に立たないと思う。
あなたは多分、
・法科大学院に進学を控え、たくさんのときめきと、
・もっとたくさんの不安を抱えた、
・ド文系でパソコンのことなど微塵もわからん素人。
そんな人だと思います。私もそうでした。
法科大学院では、パソコンをたくさん使います。
課題はワープロソフトで書き、メールで提出。レジュメをネット経由で配る先生も多数。
大学によってはTKCローライブラリーや判例秘書を契約しており、数多の判例も評釈もネット経由で見る時代。
2026年度から、司法試験の回答が手書きからパソコンでの受験に変わります。もはやロー生にとって、パソコンは六法よりも重要だといっても過言ではありません。過言ですか? 過言でした。
自己紹介|ロー修了生
申し遅れました。私は2023年3月に某大学法科大学院を修了した法務博士でありながら、3.5トン未満のガソリン駆動無軌道自動車を操縦する国家資格たる第1種普通自動車免許を都道府県公安委員会から付与されたという異色の経歴を持つ専門家です。
法科大学院では気のいい同級生に恵まれ、実に充実した日々を送ることができたのですが、ただ一点、とても大きな失敗がありました。
パソコンがポンコツだったことです。
止まるパソコン、幾星霜
パソコン購入2日目のことです。
大学入学時に伯父からもらったパソコンを大学4年間使い続けてきたのですが、重くて持ち運びに不便なことや、動作が重くなってきて不便なこともあって、法科大学院進学と同時に新調することにしたのでした。
このことから、「重い」という単語が重量と処理速度の両方に使うからややこしいということが分かります。
そこで、軽量なタブレットPCを買ったのですが、メモリをケチって4GBのモデルを買ったために、レポート作成のWordのフリーズが頻発しました。
頻発ですよ。頻発。確率にして250%の割合でフリーズしてました。これは1度の作業中に1回フリーズしたあと、もう1回フリーズし、そのうえで50%の確率でまたフリーズするという意味です。
法科大学院では毎回レポートを出す講義も多いので、これには難儀しました。
Zoomはギリギリ大丈夫だが、Webexではブルスクが起こる
私が法科大学院に通っていた2021年~2023年は、新型コロナ感染症最盛期。猫も杓子もリモートMTGにアジェンダするDXクラウドテレワーク時代です。
例に漏れずこの私もリモート授業を受けることになり、Webexアプリを起動したんです。
そしたらこれです。このまま、パソコンの電源が切れて再起動しました。
どうもカメラを起動するとダメらしいです。
私がパソコン選びに大失敗したことが伝わったでしょう。
さて、このような失敗をしないように、あるいはよりよいパソコン選びをするために、必要なことをお話していきましょう。
ロー生が後悔しないパソコン選び:総論・スペック表の見方
パソコンのスペックは、ソフト面とハード面に分けられます。というか、私が分けます。パソコンに詳しく、この分類に文句のある方々は、ぜひコメント欄にお寄せください。会員登録必要だけど。
◆ソフト面
・CPU
・メモリ(RAMとも言う)
・グラフィック・ボード(GPU・グラフィックとも)
・SSD/HDD
◆ハード面
・寸法
・タブレットPCか否か
・電池容量
・拡張性(USB刺す所が何個あるか)
・拡張性2(メモリやCPUを増設したり交換できるか)
・画質
ちなみにノートPCを前提にしています。大学に持っていくことが前提だからです。
このうち、どれが重要かは、パソコンの使い方によって異なります。
ただ、いずれの場合でも、CPU・メモリ・寸法の三つが重要となります。
さきに結論だけ書いておきましょう。
POINT・CPUは「Intel Core i5以上(i7、i9)6000番以上」または「AMD Ryzen 5以上(7、9)」
・メモリは16GB以上
・寸法は、12.4インチ以上16インチ以下
・電池の容量は、通常の使用で10時間以上
パソコン選び各論:スペックの説明
CPU
CPUとは、中央演算処理装置の略で、パソコンの頭脳です。
CPUのメーカーにはIntelとAMDの2社が熾烈な争いを繰り広げており、それぞれに熱狂的なファンがついていますが、どっちでも大差ないです。
重要なのは、CPUの型番の見方です。
Intel Core i9-13980HX
例として、このCPUの型番を見てみましょう。
・Core i〇に入る数字は、CPUのブランドです。3,5,7,9の4つがあって、大きいほどすごい。上の例はCore i9なので超すごい。
・Core i9-○○○○〇に入る数字は、最初の2桁が世代です。上の例は13世代ということです。今(2024年4月現在)の最新は14世代なので、かなり新しめということです。どっちかというと、こっちのほうが重要です。後半3桁はあんまり気にしなくていいです。大きければ新しいです。
・上の例ではHX、他にもHとかSとかが付くこともあります。あんまり気にしなくていいです。
あとはAMDのRyzenシリーズのCPUの型番も確認しておきましょう。
AMD Ryzen 9 7950X3D
・Ryzen 〇に入る数字も、3,5,7,9の4つです。それぞれ、Core i3,5,7,9と同じ様なもんです。
・Ryzen 9 ○○○○に入る数字の最初の1桁は世代です。8が一番新しいです。一番古いやつでも2015年と新しいので気にしなくていいです。
・あとはあんまり気にしなくていいです。
結論としては、Core i5以上の6000番台以上またはRyzen5 以上のものを買うのをお勧めします。文書作成でもスムーズですし、ZoomやWebexも動かしたいので。
POINT・CPUは、Core i5以上の6000番台以上またはRyzen5 以上のものを選ぶ!
メモリ
メモリは、正式には主記憶装置と呼ばれる部品です。パソコンの作業スペースです。
多すぎても別に速くはならないけど、少ないと遅くなるのでそれなりにあったほうがいいです。
ワードやウェブ会議程度であれば8GBで十分という声もありますが、資料をいくつも開きながらレポートや論文を書くことも多いので、念のため16GB以上をオススメしています。
パソコンの機種によっては、メモリは後から互換性のある奴を買って交換することもできるので、8GBのモデルを買い、必要に応じてメモリを増設するという対応でもいいと思います。
タブレットPCは大体分解できないので注意しましょう。
グラフィック・ボード(GPU・グラフィックなど)
いらない。以上。
グラフィック・ボードを使う場面は、ゲームとか動画配信とか、ビットコインのマイニングなどです。
勉強にもゲームにも使えるように、と「ゲーミングノートPC」を買うつもりなら必要ですが、オススメしません。デカイし重いしうるさいので。別で買いましょう。コンテンツ
POINT・メモリは16GB以上がおすすめ
・「グラフィック・ボード」はいらない
SSD/HDD
ファイルや画像などを保存する容量です。
大して使わないので、気にしなくてもいいです。
必要になったら外付けHDDを買ってください。
POINT・SSDやHDDは気にしなくてよい
寸法
要するに大きさです。かなり重要です。
複数の資料を参照しながら論文を書いたりする際に、画面が小さいと、やりづらいことこの上ない。
また、レポート作成の際にも、キーボードが小さいと打ちづらくて堪らない。
したがって、コンパクトすぎる機種はいただけない。
ただ、大きすぎると、持ち運びがかなり面倒くさいです。
パソコンだけではないのです。ポケット六法に判例集に教科書に、「教授、頭狂ったか?」と言いたくなる量のレジュメ。取り回しはかなり重要です。
そこで、私がお勧めするのが、12.4インチ以上16インチ以下という寸法です。
まぁ、大きさに関しては電器屋で自分で確かめることをお勧めします。
主に家でレポートを書くというなら、キーボードやディスプレイを別で買ってもいいですし。
POINT・寸法・サイズは電器屋で事前に確かめる
・12.4インチ以上16インチ以下がおすすめ
タブレットPCか否か
どちらも一長一短であり、どっちが良いとは言えません。
タブレットPCの長所
・タッチ操作ができる。
マウスなんて持っていけません。面倒くさいので。
・タブレットとしても使える。
タブレットPCの短所
・付属キーボードがペラペラで長文を打つのがしんどい。
私はあまり気にならなかったのですが、気になるかもしれません。
法科大学院でのパソコンの利用のほとんどは文書作成ですから、長文を打ちづらいというのはクリティカルな短所です。気にならないならいいのですが、気になるならタブレットPCはやめるかUSB接続できるキーボードを買いましょう。
POINT・タブレットPCは一長一短
・あえて選ぶ理由は少ないかも
電池容量
重要。充電ケーブルなんて持っていけません。面倒くさくて。
最低でも10時間は充電が持つものをオススメします。
POINT・電池容量は意外と重要
・最低10時間はもつものを選び
拡張性(USBが何個挿せるか)
上でも挙げた通り、キーボードやディスプレイ、外付けHDDやマウスを買って装着する可能性があるため、使い方によっては重要かと思いきや、
拡張ハブで増やせるので、気にしなくていいです。
POINT・拡張ハブで増やせるためそこまで重要視はしなくてOK
拡張性2(メモリやCPUを交換・増設できるか)
上で説明した通り、メモリが8GBで十分という見解もあります。しかし、パソコンの高性能化は急速に進んでいるため、ソフトウェアもそれに応じて高いパソコン性能を要求するようになっています。
したがって、念のためにメモリは16GBにする方がいいと思いますが、後から増やせるなら、今は8GBにするというのも手だと思います。
POINT・メモリ8GBにするならメモリ増設が可能かも要チェック
画質
いらない。どうせ文字と簡単な図しか見ない。
まとめ
・CPUはCore i5以上(6000番台以上)またはRyzen5以上、またはそれに相当するもの。
・メモリは16GB以上、分解して自分で増設できるなら8GBでもよい。
・大きさは12.4インチ以上16インチ以下。ただ自分で確かめてみて、持ち運びも容易でキーボードも打ちやすく、画面も見やすいなら良い。
・電池の持ちは長い方が良い。
・タブレットPCにするかは、各自の判断。タッチ操作は便利だが、キーボードが不便。
・主にレポートを書く場所が家なら、キーボードやディスプレイを別で買っても良い。
おわりに
この文章が時空を超えてロースクール合格発表時のオレのところに届いてくれー!頼むー!
と、どれだけ願っても、時間は巻き戻りません。
先ほども書いたように、2026年に司法試験がデジタル化し、答案をパソコンで書くことになります。法科大学院生にとってのパソコンは益々重要なものとなっています。
この記事は、新法科大学院生となる方が少しでも後悔しないようにと、そう願って書きました。
法科大学院に進学すると言う決断は、ただでさえ、常に途方もない後悔と隣り合わせだからです。
終わりの見えない勉強をしているときには、「なぜ法科大学院に入ってしまったんだ。」
司法試験に受かればいいが、落ちた時には、「あの時、判例をもっと勉強しておけば」、「あの時の授業を、もっと真剣に受けていれば」。
どうか、この記事を参考に、後悔のないパソコン選びをしてください。
そしてどうか、法科大学院生活を振り返ったときに、「よかった」と思えるようになってください。
私は、そう願っています。
参考文献
・『パソコンの選び方・パソコン工房 Microsoft Office(Word・Excel・Powerpointなど)に使用するパソコン』
・『パソコン修理ジェット便 ワードエクセルが快適に動くパソコンのメモリとストレージ容量は?【2024年最新】』
・『Webex ヘルプセンター Webex サービスのシステム要件』
・『Zoomサポート Zoom のシステム要件: Windows、macOS、Linux』
・『PC自由帳 CPU性能比較表【2024年最新版】』
・CPUのWikipedia
・メモリのWikipedia
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