この記事を読めばわかること・法科大学院生が後悔せずにゴールデンウイークを過ごす方法
・ゴールデンウイークで具体的にすべきこと
・学年別(LS1年目、LS2年目、LS3年目)のGWの過ごし方
さあGWです。
法科大学院生の皆様は、どうやってGWを過ごすか決まっていますか?
まだ決まっていないという方は、この記事を参考にどう過ごすのかを考えて頂ければ幸いです。
GWは、非常に貴重な「自由な時間」です。
有意義なゴールデンウイークを過ごしましょう!
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法科大学院生にとってGWが大事な理由
法科大学院生にとってゴールデンウイークが特に重要な理由は、主に次の点に集約されます
- 集中的な学習期間を確保することができる
- 試験日程に向けた学習計画の修正
- 弱点克服のチャンス
- モチベーションの再構築
それぞれ順に解説をしていきます。
1. 集中的な学習期間を確保することができる
ゴールデンウイークは連続した休日があり、基本的に授業が休みのため、普段よりも長時間、集中して勉強に取り組むことができます。
この期間を利用して、通常の授業がある期間では難しい、深い内容や広範囲の復習を行う絶好のチャンスとなります。
後述しますが、過去問演習、答練、短答対策、弱点克服の最適な期間です!漠然といつもの土日と同じ感覚で過ごすのはもったいないです。
2. 試験日程に向けた学習計画の修正
ロースクール生で在学中受験をする人にとっては最後の集中期間とも言えます。
最後の追い込みのために学習計画を見直すにも適した期間です。
3. 弱点克服のチャンス
予習、復習に追われる日々では手当が難しい弱点や苦手分野に焦点を当て、克服するための時間を持つことができます。
集中的な学習を通じて、これらの問題点を洗い出し、弱点克服のための期間にすることができます。
4. モチベーションの再構築
長期間にわたる学習やロースクール生活で疲れやストレスが溜まることがあります。
ゴールデンウイークは、これまでの学習の成果を確認し、今後の学習計画を見直す良い機会となり、学習へのモチベーションを新たに高めることができます。
(5.限られたリフレッシュの機会)
本年在学中受験をする方は、リフレッシュの時間を確保することは難しいかもしれません。
他方で、LS1年目(未修1年目)、LS2年目(既修1年目)の方であれば、GW休暇のうち一部をリフレッシュに充てても良いかと思います。
本年在学中受験をする方も今後のスケジュール感やストレスによっては戦略的に休暇をとるのも考えてみると良いでしょう。
【学年別】ロー生のゴールデンウイークの過ごし方
ここからは次のとおり学年別でおすすめのGWの過ごし方について解説させて頂きます。
- LS3年目(最終学年)のGWの過ごし方
- LS2年目(既習1年目)のGWの過ごし方
- LS1年目(未修1年目)のGWの過ごし方
それでは順に解説させて頂きます。
LS3年目(最終学年)のGWの過ごし方
ここでは、在学中受験をする方に向けての内容となります。
LS3年目の方は、司法試験まで約2か月となります。超直前期です。
不安が眠れない方、日々焦りを感じている人、イライラしてしまう人がほとんどだと思います。
ロースクールの授業をこなしながら司法試験対策をすることは容易ではありません。
つらい日々を乗り越えれば必ず希望が見えてきます。苦しいですが、最後までやり切りましょう。
LS3年生におすすめのGWの過ごし方は以下の通りです。
- 束の間の休息をとる
- 司法試験本番までのが学習計画を立てる又は修正する
- 過去問演習、全国模試、模試
- 短答の足きりが怖いならば短答デーを設ける
一つずつ解説をさせて頂きます。
束の間の休息をとる
司法試験まであと約2か月。ほぼ休まずに毎日遅くまで勉強している人もいるかと思います。
ゴールデンウイークは、天気も良く、大学の同期は楽しく旅行に行ってたりと司法試験受験生にとって辛い時期でもあります。
出来るだけ勉強時間に投下したいところですが、
・「司法試験までの学習計画が考える余裕がない人」
・「過去問演習や全国模試も憂鬱で手がつかない人」
・「メンタル状況が悪い人」
は、束の間の休息を取られてみてはいかがでしょうか。
GWの一日だけもリフレッシュの時間に使い、その他の日は、全力で勉強をしたら良いかと思います。
メンタルの状況が悪く、勉強に手がつかない人は気分転換を行ってください。
「少しだけ休みたい人」は、例えば、最終日の夕方以降は好きなことをする等、あらかじめ自分へのご褒美を設定して、やり切れたら休みとかでもよいでしょう。
司法試験本番までのが学習計画を立てる又は修正する
司法試験までの学習計画は確定していますか?
・「残りの2か月で過去問演習はどこまでやるのか」
・「各科目のインプットの見直しはどういうペースでやるのか」
・「各科目の勉強時間の配分はどうするか」
・「答案練習や模試の受験はどうするか」
等、検討すべきことは沢山あります。
学習計画にバッファを入れつつも、司法試験本番までの学習計画をシミュレーションしてみてください。
司法試験まで何をするべきかわからないという人は「明日が司法試験だとしたらどこに不安があるのか」「模試を受けた時にどの点が難しく感じたのか」を考えてみて苦手や不安の内容を言語化してみましょう。
既に司法試験までの学習計画を立てていた人であっても、修正点がないか、確認してください。
LS3年生にとっては、GWは学習計画を修正する最後の機会だと思って、見直しをしてみましょう。
過去問演習、全国模試、模試
GWの王道の過ごし方は「過去問演習、全国模試、答練」等の実践です。
連休を使って、本番と似た条件で過去問演習を行いましょう。全国模試を利用されても良いですし、新作の答練を使っても良いかと思います。
司法試験本番は何かしらのトラブルが発生します。
・「どうしても規範が思い出せない」
・「新しい形の出題がされた」
・「問題文を読み間違えていた」
・「試験の終了時間を勘違いしていた」
等です。
司法試験本番に向けて不安感を少しでも軽減するためには、実践あるのみです。
トラブル発生時にどういう対応をするのかも予め考えておくと良いでしょう。
短答の足きりが怖いならば短答デーを設ける
在学中受験の方で、短答の足きりが怖い、という方は多いかと思います。
在学中受験が導入されて受験生としてはありがたい制度変更ですが、LS修了生と比べて学習時間が少ないです。そのため、細かな短答知識まで手が回っていない方も多いと思います。
過去問演習や全国模試の結果からして、短答の足きりが怖い方は、GWのうち一日を短答デーしたり、毎日短答の勉強時間を確保するなどして、短答対策に時間を使いましょう。司法試験本番が近づけば近づくほど、短答対策に充てれる時間は限られてきます。
LS2年目(既習1年目)のGWの過ごし方
つづいてLS2年目(既習1年目)のGWの過ごし方です。
LS2年目(既習1年目、未修2年目)のおすすめのGWの過ごし方は以下のとおりです。
- ロースクール生活の振り返り
- 司法試験と同じスケジュールで過去問演習を行う
- 去年の短答式試験を解いてみる
- 司法試験までの学習計画を考える
- しっかり勉強し、1~2日はリフレッシュもあり!
一つずつ解説させて頂きます。
ロースクール生活の振り返り
既習で入られた方はロースクールに入学してから約1か月。未修の人は1年と1か月となります。
・「思っていたのと違う」
・「ソクラテスしんどい」
・「この授業意味ない」
・「優秀な人が多すぎる」
等様々な感想があるかと思います。
法科大学院生の最終目標は「司法試験の合格です」。
法科大学院に進学し「司法試験合格」に近づけているのかよく振り返ってみてください。
予習をが全く出来ておらず、授業についていけず時間を無駄にしてしまっている人もいると思います。逆に予習に時間を使いすぎている人もいるでしょう。予習・復習のバランスや、科目間の勉強時間のバランスが取れているか確認してみましょう。
さらに、日々の時間の中で、もっとも勉強に充てれないか考えてみましょう。通学時間や寝る前の時間など、隙間時間で勉強できないかも考えてみましょう。
GWの時点でストレスがたまりすぎている人は、ストレス発散の方法を考えてみましょう。日々の生活の中で、趣味の時間を入れるなどして、ストレスをため込まないための仕組みを考えてみましょう。
#ロースクールはいいぞでは、各法科大学院の口コミを募集をしています。
GWに余裕があり気が向けば、隙間時間を使って、在学中の法科大学院の口コミを投稿して頂けますと幸いです。
ロースクール生活の振り返りを兼ねて、投稿をお願い致します。
▽法科大学院の口コミ一覧▽
司法試験と同じスケジュールで過去問演習を行う
在学中受験を考えている人は、司法試験まであと1年と2か月です。全く時間がありません。
この時期では、司法試験の過去問を時間を図って説いたことがある人は少ないかもしれません。
過去問を司法試験と同じスケジュール感で解いてみてはいかがでしょうか。
実際に本番と似た条件で解いてみることで、自分の弱点や司法試験の難易度が肌感覚で分かります。
合格までの距離を理解するためにも、このタイミングで過去問演習をされると良いかと思います。
ひとりではなかなかモチベーションの維持が難しい人は、ロースクールの友人と一緒に時間を図って説いてみても良いでしょう。
去年の短答式試験を解いてみる
短答対策は全くやっていないという方もいるでしょう。
司法試験は、論文式試験が何よりも大事です。
しかし、短答式試験は足きり点がありますし、毎年、優秀な法科大学院生が短答式試験にやられています。決して侮ってはいけません。
短答式試験の難易度を実感するために、去年の短答式試験を本番と同様に時間を図って説いてみて、さらに採点をしてみてください。
余裕があれば解説を読み込んでほしいですが、何点取れたのかをしっかり認識してください。合格点まで何点足りないのかを認識しましょう。
司法試験までの学習計画を考える
あと1年2か月で、司法試験合格レベルに持っていく必要があります。基本7科目+選択科目の論文式試験、憲民刑の短答式試験です。
「やらないといけないこと」は沢山あります。「やった方がよさそうなこと」も沢山あります。
時間が限られており「やったほうがよさそうなこと」の全てはできないでしょう。何をやらないかを決めることも大切です。
効率よく勉強し一発で司法試験に合格している人は、与えられた環境をフル活用し、リソースも限定しています。
ロースクールではどの講義を取るのか、自主ゼミはやるのか、就活はどれくらい時間を使うのか、予備校は使うのか、答練は使うのか等
残り1年2か月でどこまでやるのかの計画をこの機会に立ててみてはいかがでしょうか。
しっかり勉強し、1~2日はリフレッシュもあり!
法科大学院生は、授業期間中は本当に忙しいです。毎日遅くまで勉強し、土日も自習室に籠っている人がほとんどです。
ゴールデンウイークくらいは休みたいと考えている人もいるでしょう。
GWは、まとまった時間を確保できる貴重な期間です。しかし、天気の良い行楽シーズン。少しくらいは休まれても良いでしょう。
GWの1~2日はリフレッシュに充てても良いと思います。例えば、勉強は休むけど、就活の情報を収集したり、学習計画の見直しや今後の学習計画を立てるのにじっくり時間を使っても良いでしょう。
ゴールデンウイークをどのように使うのかをしっかり検討し、納得のいく時間を過ごしてください。
LS1年目(未修1年目)のGWの過ごし方
最後にLS1年目(未修1年目)のGWの過ごし方です。
LS1年目(未修1年目)のおすすめのGWの過ごし方は以下のとおりです。
- 未修1年目の重要性を再確認する
- 基本7科目の入門書を通読する
- 司法試験の問題を読んでみる
一つずつ解説させて頂きます。
未修1年目の重要性を再確認する
法科大学院生活を1か月、過ごしてみていかがでしょうか。
予習、復習に追われ大変な日々を過ごされているのではないでしょうか。
・「法律向いていないかも」
・「純粋未修は私だけ?」
・「友達ができそうにない」
・「授業のスピードについていけない」
等様々な感想を持たれているかと思います。
法律の勉強は、最初が肝心ですし、初学段階で挫折をしてしまう人が多いです。
辛くて挫折しそうになっている人は、なぜ法科大学院への進学を決めたのか初心を思い出してみましょう。
また、周りのレベルが高く付いていけないと感じている人もいるでしょう。
未修者コースであっても、全く法律を勉強せずに入学する人は多くなく、ほとんどの人が法学部だった、法学部の授業を受けていた、予備校の講義を受けていた、入学までかなり勉強した人が多いかと思います。スタート時点のレベルの差に悩まれている人も多いかもしれませんが、焦り過ぎる必要はありません。
日々の積み重ねで必ずついていけるようになります。
ただし、「未修者の合格率は既修者よりも低い」という事実は認識しておきましょう。
未修同士で競争をしあっても意味がありません。協力関係を築いて、1年後に既習入学者のレベルに達することができるようにがむしゃらに勉強してください。
法律の勉強は最初がしんどいですが、だんだん面白くなっていきます。
▽法律の勉強法はこちらの記事▽
「法律の勉強は難しい」「六法を丸暗記する必要があるらしい」「法律家になりたいけど、どうやって勉強したらよいのか…
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基本7科目の入門書を通読する
既修者は、ロー入試で基本7科目の勉強をひととおり終えており、さらに、論文対策もかなり進んでいます。
未修の1年間でそのレベルに達する必要があります。しかし、未修で入学されているため、当然、インプットはこれからです。
仕方ないことですが、効率よく身に着けていく必要があります。
法律の勉強はとにかく基礎基本が大切です。
基本7科目の薄い入門書を通読されることをお勧めいたします。
法律の全体像を把握し、基礎基本を押さえてから深く理解していくのが効率的です。
GWのまとまった時間を活かして、法律7科目の入門書をできる限り読み込んでください。
法科大学院において基礎基本を整理したレジュメが配布されている場合には、再度熟読をしてみましょう。
7科目の通読が厳しい人は、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法の5科目だけでも良いですし、それも厳しければ憲法、民法、刑法の3科目だけでも結構です。
司法試験の問題を読んでみる
また、司法試験の問題を読んでみてもよいでしょう。この時期では、司法試験の問題を解くのは難しいと思います。
しかし、2年2か月後には解けるようになっていなければなりません。司法試験の問題を実際に読んで、どのような出題がされているのか、問題文を読み込むだけでもどれくらいの時間がかかるのかをまず体験しましょう。
出題の趣旨や採点実感も読んでみてください。初学の段階で、司法試験委員会がどういうことを求めているのかを知っておくのは大切なことです。
ただし、わけがわからなくても心配しなくて大丈夫です。司法試験合格者でも、出題趣旨や採点実感が指摘する事項の半分も書けていないといっても過言ではないと思います。
それくらい問題のレベルが高いのです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、学年別でロースクール生のゴールデンウイークの過ごし方を解説させて頂きました。
皆様にとって有意義なゴールデンウイークとなることをお祈り申し上げます。
しんどいですが頑張っていきましょう!